以前の記事の続きです。
今回取り上げるのは「この材料の組み合わせでこの製品の組み合わせがいくつまでできるか」という問題です。ときどき出題されています。
一つのやり方として天びん図で考える方法があります。
ある工場では、材料Aを10gと材料Bを20g使って商品(あ)を1個作り、材料Aを15gと材料Bを15g使って商品(い)を1個作っています。このとき、次の各問いに答えなさい。(豊島岡2023第3回)
⑴ 材料Aを550g、材料Bを650g用意し、商品(あ)と商品(い)を作りました。このとき、商品(あ)と商品(い)はそれぞれ何個ずつ作りましたか。ただし、材料はすべて使うものとします。
食塩水の問題で食塩の濃度を求めるのと同じように考えていく。
商品を食塩水、材料Aを食塩とみて、商品にしめる材料Aの割合を「濃度」と考えると
- 商品(あ)の濃度は 10g÷30g=⅓
- 商品(い)の濃度は 15g÷30g=½
- できがった製品は「材料Aを550g、材料Bを650g」使ってできているからその濃度は 550g÷1200g=¹¹⁄₂₄
この3つを天びん図にすると
とすると使った材料の重さの比は 商品(あ):商品(い)=1:3 だとわかる。
よってぜんぶの材料の重さが1200gなので
- 商品(あ)…1200×¼=300gの材料を使った。商品(あ)を1個作るのに材料30gが必要だから 300÷30=10個
- 商品(い)…1200×¾=900gの材料を使った。商品(い)を1個作るのに同じく材料30gが必要だから 900÷30=30個
⑵ 材料Aを580g、材料Bを650g用意し、個数の合計が⑴の場合と同じになるように商品(あ)と商品(い)を作りました。このとき、商品(あ)と商品(い)の個数の組み合わせとして考えられるものは、全部で何通りありますか。ただし、材料はすべて使わなくてもよいものとします。
小問⑴でわかったのは材料Aを550g、材料Bを650g使うと(あ)が10個、(い)が30個できること。これを基準に考える。
「個数の合計が⑴の場合と同じになるように」合計40個にするのが条件なのでここから(あ)を1個ずつへらして(い)を1個ずつふやしていく*とどうなるかを調べてみる。
*材料Aに注目したとき商品(あ)の濃度は⅓、商品(い)の濃度は½とわかった。つまり材料Aの使用量が多いのは商品(い)の方なので、この逆に(あ)をふやし(い)をへらしていくと材料Bの使用量がふえる方向になりいきなり650gを超えることとなってしまう。
すると、たとえば
商品(あ)が9コ、商品(い)が31コのとき…
- 材料Aの使用量は 10g×9+15g×31=555g
- 材料Bの使用量は 20g×9+15g×31=645g
商品(あ)が8コ、商品(い)が32コのとき…
- 材料Aの使用量は 10g×8+15g×32=560g
- 材料Bの使用量は 20g×8+15g×32=640g
となり、商品(あ)の個数を1へらし商品(い)の個数を1ふやすごとに材料Aの使用量は5gふえ材料Bの使用量は5gへるのがわかる。
こうして580gしかない材料Aを最大使うところを調べると
550g+5g×6=580g
より商品(あ)は4個、商品(い)は36個まで作れる。
よって条件に合う商品(あ)(い)の個数の組み合わせは
(あ, い)=(10, 30)、(9, 31)、(8, 32)、(7, 33)、
(6, 34)、(5, 35)、(4, 36)
の 7通り