うそつき問題③ | 受験算数はきょうもおもしろい

以前の記事の続きです。

 

「うそつき問題」は今年の入試問題でもたとえば次のようなものが出されています。

 

  その1(弘学館2023)

 

弘さん、学さん、館さんの3人が赤、青、黄のボールをそれぞれ1個ずつ持っています。このとき、3人は次のように言いました。
弘さん「私は、赤のボールを持っています。」
学さん「私は、黄のボールを持っています。」
館さん「私は、赤のボールを持っていません。」
ウソを言っている人が1人だけいるとすると、ウソを言っているのは▢さんです。

 

右矢印 情報量がいちばん多い発言に注目すると、弘さんと館さんが「赤のボール」について話しているのでこの2人の発言を最初の手がかりにする。

  1. 館さんがうそつきとすると、館さんは赤のボール、弘さんも赤のボールを持っていることとなり矛盾するから館さんは正しい
  2. 弘さんがうそつきとすると、弘さんは赤のボールを持っておらず、館さんも赤のボールを持っていないので、学さんが赤のボールを持っていることとなる。しかしこれだと学さんの発言「私は、黄のボール」と矛盾する。したがって弘さんは正しい
よってうそつきは学さん
 
このとき弘さんは赤、学さんは青、館さんは黄のボールと矛盾なく決まる。

 

  その2(東洋英和2023)

 

A、B、C、Dの4人で徒競走をしました。その結果について4人が話していますが、1人だけうそをついています。4人の順位を答えなさい。
  A:私は4位だったわ。残念…。
  B:私はCさんのとなりの順位で、Dさんに勝ったよ。
  C:私は1位だったわ。
  D:私の順位は奇数だったよ。

 

右矢印 情報量がいちばん多い発言に注目する。

AとCは具体的な順位について話しているから、残る2人のどちらか(BかD)がうそつきならAとCの順位が決まる。BかDだとDの発言が取っかかりやすそうなのでこれを最初の手がかりにする。

  1. Dがうそつきとすると、Dの順位は偶数。Cは1位、Aが4位となり、Dは2位に、Bは3位に決まる。しかしこれだと正しいはずのB発言「私はCさんのとなりの順位」(2位)と矛盾するからDは正しい
  2. Bがうそつきとすると、Cが1位、Dが3位。Aが4位と決まり、Bは2位となる。しかしこれだとうそだったはずのB発言「Cさんのとなりの順位で、Dさんに勝った」は正しいこととなり矛盾するからBは正しい
  3. Aがうそつきとすると、Cが1位となり、奇数のDは3位に決まるから、Aは2位に決まる。しかしこれだとBは4位となり正しいはずのB発言「私はCさんのとなりの順位」と矛盾するからAは正しい
  4. となるとうそつきはCに決まる。このときAは4位。Dは1位か3位だがB発言「私は…Dさんに勝った」(正しい)よりDは3位Bは1位に決まり、Cは2位に決まる*
 
*このときたしかにC発言「私は1位」はうそとなり、B発言「私はCさんのとなりの順位」は正しいことなる。

よって4人の順位は1位B、2位C、3位D、4位A 完了