水そうと棒③ | 受験算数はきょうもおもしろい

以前の記事の続きです。

 

水そうに棒を入れると水位はどれだけ上がるかという定番問題がありますが、入れるのが棒ではなく空の容器だったらどうなるかという今後はやりそうな感のある新傾向問題です。

 

図のような、ふたのない3つの容器A、B、Cがあります。これらの容器の底面積の比は35:21:5です。
まず図1一①のようにAを水で満たしてから、Bを底面を水平にして静かにしずめると、初めのうちはAから水があふれ出て図1一②のようになりました。
次に図2—①のようにCを底面を水平にしてBの外側にしずめると、Cは満水になりB、Cの外側の水面(Aの中の水面)は図2—②のようにCの高さと同じになりました。(青山2023)

⑴ 容器Bの高さと容器Cの高さの比は□:□です。

 

右矢印 図1-②のあと(図2-②になる前の)容器Cに水が入る直前の様子を考える(図❶。水そう図に書きこむ容器は鉄則どおりはしに寄せて書く)

このとき

  1. A、B、Cそれぞれの「容器の底面積の比は35:21:5」より、容器Bの底面積21、容器Cの底面積5、残り部分の底面積9を図に書きこむ
  2. ここにCをしずめると「B、Cの外側の水面(Aの中の水面)は図2—②のようにCの高さと同じに」なった(図❷)。2つの図を見くらべると図❶「あ」にあった水はそのまま「ア」の場所に移ったのがわかる。
  3. とすると「あ」の底面積9、「ア」の底面積5より(底面積と水の深さは逆比の関係にあるから)「あ」の高さ⑤、「ア」の高さ⑨とおける。このとき「ア」の下にある水(これはそのまま容器Cに入ると考えることができる)の高さも⑤となる
よって 容器Bの高さは⑤+⑨+⑤=⑲、容器Cの高さは⑤+⑨=⑭となるから、容器Bの高さと容器Cの高さの比は 19:14

 

⑵ 図2—②で、容器Bの中の水面の高さと容器Bの外側の水面の高さの比が8:7のとき容器Aの高さと容器Bの高さの比は□:□です。

 

右矢印 小問⑴で使った容器Cの高さ⑭をそのまま使うと「容器Bの中の水面の高さと容器Bの外側の水面の高さの比が8:7」より、容器Bの水面の高さは⑯とあらわせる。

ここで容器Cが水にふれる前(図2ー①)に時をもどすと、容器Bにこのあと流れ出す水の量は容器Cの容積と等しいから、容器Bの部分の高さは底面積の逆比より ⑭×5÷21=

とするとこのとき容器Bに入っている水の高さは(=⑯-


さらに時をもどして容器Bに水が入る直前の様子を考える(図⓪)。部分の水(この高さを□とする)が容器Bの部分に流れ出すこととなるが、容器Bの下にある水(この高さも同じく□となる)はそのまま容器Bに入ると考えることができるから、容器Bの中の部分の高さは -□。

ここでまた底面積と水の高さの逆比関係を考えると

 (-□):□=14:21 より

  より 

 

よって 容器Aの高さ=容器Bの高さ+□= より

 容器Aの高さ:容器Bの高さ=26.6:19=266:190=7:5 完了