カード問題2023 | 受験算数はきょうもおもしろい

以前の記事の続きです。

今年出題されたカードを使った入試問題の1つです。

 

1から10までの数が書かれたカードが1枚ずつ、計10枚あり、聖(たかし)さんと光(ひかる)さんの2人がカードを引き、それぞれ手元に置きます。このとき、次の問いに答えなさい。ただし、聖さんの手元のカードと光さんの手元のカードは区別するものとします。
たとえぱ、聖さんの手元のカードが1と2で、光さんの手元のカードが3と4である場合と、聖さんの手元のカードが3と4で、光さんの手元のカードが1と2である場合は区別します。(聖光学院2023)

⑴ 聖さん、光さんが1枚ずつカードを引いたとき、聖さんの手元のカードと光さんの手元のカードの組み合わせは全部で何通りありますか。

 

右矢印 先に引く人のカードの選び方が10通り、後から引く人のカードの選び方はそれ以外の9通りだから 10×9=90通り

 

⑵ 聖さん、光さんが2枚ずつカードを引いたとき、聖さんの手元のカードと光さんの手元のカードの組み合わせは全部で何通りありますか。

 

右矢印 先に引く人は10枚から2枚を選ぶ選び方なので10×9÷2=45通り。後から引く人は残り8枚から2枚を選ぶ選び方なので8×7÷2=28通り。

これらは同時に起こるから 45×28=1260通り

 

⑶ 聖さん、光さんが5枚ずつカードを引いたとき、聖さんの手元のカードに書かれた数の和が光さんの手元のカードに書かれた数の和より15だけ大きくなりました。このとき、聖さんの手元のカードと光さんの手元のカードの組み合わせは全部で何通りありますか。

 

右矢印 「1から10までの数が書かれたカード」10枚あるのでその和は55。「聖さんの手元のカードに書かれた数の和が光さんの手元のカードに書かれた数の和より15だけ大きく」なったので聖さんのカード合計は35、光さんのカード合計は20

 

聖さんのカード合計35の方で樹形図を書いてみると次のとおり 7通り

 

 

⑷ 聖さん、光さんが5枚ずつカードを引いたとき、聖さんの手元のカードに書かれた数の積が光さんの手元のカードに書かれた数の積の7倍になりました。このとき、聖さんの手元のカードと光さんの手元のカードの組み合わせは全部で何通りありますか。

 

右矢印 「聖さんの手元のカードに書かれた数の積が光さんの手元のカードに書かれた数の積の7倍に」なったので、聖さんのカードの積は7×□、光さんのカードの積は□と書ける。

 

ここで7をのぞく1から10までの積を考えてみると

 1×2×3×4×5×6×8×9×10=720×720

とちょうど720の平方数になっており□=720

 

そこで聖さんはカード4枚で積が720、光さんはカード5枚で積が720となるようにする必要あるが、カードにある数の性質に注目すると次のようにカードを分けることが必要になる

  • 5の倍数は10と5だけなので、10と5は違う人に行くこと(下表の黄色部分)
  • 3の倍数は9、6、3があるが、9と6は違う人に行くこと(720は9×6で割り切れない)。また同じ理由で3は6とペアで同じ人に行くこと(表の赤部分)
  • 2の倍数は10、8、6、4、2があるが、8と4は違う人に行くこと(表の青部分。720は8×4で割り切れない)
 
これらの組合せパターンはぜんぶで2×2×2=8通りあり、表にすると次のとおり。(表の最下段は現時点での7以外の積)
あとは1と2をうまく☆に入れたらどちらも(7をのぞく)積が720になるような組合せをさがせばよい。
 
このうち❷❼❽は条件に合わない(☆にどのように1と2を入れても720はできない)。
それ以外の❶❸❹❺❻は☆に1と2をうまく入れると2人とも積を720にそろえることができる(=聖さんのカードにある数の積が光さんの積の7倍になる)。

よってカードの組合せは5通り 完了