以前の記事の続きです。
相当算の問題は線分図を使って解くようにと教わることが多いかと思いますが、もとにする量が途中で変わるとき(これがほとんど)には2本とか3本とかの線を並べて書くことになります。このため線分図をどう書くかのところで混乱してしまう小学生が少なくないという印象です。
わかりやすくするための線分図なのに逆にわかりにくくなってしまうのでは本末転倒なので、相当算では数式だけで(最小公倍数を使って)解くのがオススメです。
たとえば次のような感じになります。
ふつうの相当算①(横浜女学院2022)
いくつかのりんごをAさん、Bさん、Cさんの3人で分け合います。最初にAさんは全体の⁷⁄₁₂をもらい、次にBさんは残りの⅗をもらい、最後にCさんは残った10個のりんごをもらいました。りんごは全部で何個ありますか。
分母に出てくる12と5の最小公倍数を使い、全体を60個とおく。
- Aさんは60×⁷⁄₁₂=35もらった→残り25
- Bさんは25×⅗=15もらった→残り10。これが「残った10個のりんご」
よって、1=1個より、りんごは全部で60個
ふつうの相当算②(和洋九段2022第2回)
姉が所持金の⅖を妹に渡し、残ったお金の¼と110円を弟に渡したところ、姉の所持金は250円になりました。姉のはじめの所持金はいくらですか。
分母に出てくる5と4の最小公倍数を使い、「姉のはじめの所持金」を⑳円とおく。
- 妹に⑳×⅖=⑧を渡した→残り⑫
- 弟に⑫×¼+110=③+110を渡した→残り⑨-110。これが「250円」
よって、⑨-110=250より ①=40円とわかり「姉のはじめの所持金」⑳は800円
ふつうの相当算③(東洋英和2022B)
□ページの本を1日目は全体の⅜を読み、2日目は84ページ読みました。3日目に読んたページ数は残りの⅔より12ページ少なかったので44ページ残りました。
分母に出てくる8と3の最小公倍数を使い、全体を㉔ページとおく。
- 1日目は㉔×⅜=⑨を読んだ→残り⑮
- 2日目は「84ページ」読んだ→残り⑮-84
- 3日目は「残りの⅔より12ページ少なかった」ので (⑮-84)×⅔-12=(⑩-56)-12=⑩-68 を読んだ→あと「44ページ」残った
以上より、全体のページ数は
⑨+84+⑩-68+44=㉔ ⑤=60 より ①=12
よって全体⑫は24×12=288ページ
歩合や百分率も出てくる相当算(国府台2022推薦算数)
Aさんは□円持っていました。このお金の2割5分で本を買い、残りの40%でケーキを買いました。その残金の⅓で花を買うと900円残りました。
まず「2割5分」=¼、「40%」=⅖と分数に直す。あとは同じで、分母に出てくる4と5と3の最小公倍数を使い、はじめに持っていたお金を60とおく。
- 本は 60×¼=15→残りは45
- ケーキは 45×⅖=18→残りは27
- 花は 27×⅓=9→残りは18。これが「900円」
よって、18=900円より 1=50円なので、はじめに持っていたお金60は 50×60=3000円
お金が途中で増える相当算(カリタス2020)
Aさんは、持っていたお金の⅖で買い物をしたところ、抽選が1回でき、3000円が当たりました。
うれしくなったAさんは、さらに買い物をし、抽選後に当たった分も含めてそのとき残っていたお金の⅓を使いました。抽選の前後の使ったお金の合計は3400円でした。このとき、次の間いに答えなさい。
⑴ 最初に持っていたお金は何円でしたか。
分母に出てくる5と3の最小公倍数を使い、Aさんが「最初に持っていたお金」を⑮円とする。
- 最初に「⅖で買い物をした」ので最初の買い物に⑥使った→残り⑨
- ここに抽選で3000円が当たった→残り⑨+3000
- この⅓を使ったので抽選後の買い物に③+1000使った→残り⑥+2000
ここで「抽選の前後の使ったお金の合計は3400円」なので
⑥+(③+1000)=3400 より ⑨=2400円 ③=800円
よって「最初に持っていたお金」⑮は800×5=4000円
⑵ 抽選後の買い物では、使ったお金は何円でしたか。
抽選後の買い物に使ったのは(③+1000)円なので1800円