495と6174 | 受験算数はきょうもおもしろい

以前の記事の続きです。

 

この数字でピンとくる人はかなりマニアックな方だと思いますが、受験算数の題材の一つに「カプレカ数」というものがあります。3けたでは495、4けたでは6174だけが唯一これにあてはまる数字であること、5けたのカプレカ数はないことなどが知られています。非常に美しい数字なので、暗証番号などに使っている人もいるようです。

これを取り上げた入試問題にたとえば次のものがあります。

 

次の会話文を読み、あとの【問い】に答えなさい。(和歌山信愛中2019午後)

先生「今日は二人に不思議な数を教えてあげよう。まずは3けたの整数を思いうかべてごらん。なんでもいいよ、ただし、3つの位の数字がすべて同じものはダメだよ。」
屋美「じゃあ、私は402にするわ。」
形子「私は779にしよーっと。」
先生「では、その3けたの整数の各位の3つの数字を、大きい順に並べた数から小さい順に並べた数を引いてください。」…◎
屋美「私の場合は、大きい順に並べた数は[ア]になって、小さい順に並べた数は024になってしまうので24になるのね。[ア]-24で[イ]になるわ。」
形子「私は、[ウ]ね。」

【問い】
⑴ [ア]~[オ]にあてはまる数を答えなさい。 

 

右矢印 [ア]420、[イ]396、[ウ]198(=977-779)

 

先生「次に、屋美さんは[イ]、形子さんは[ウ]で、続けて◎の操作を行っていくと、ある整数がくり返し出てくるよ。では、やってごらん。」
屋美「私の場合、くり返し出てくる整数は[エ]になりました。」

 

右矢印 396からはじめると 963-369=594 

594をもとにすると 954-459=495

495をもとにすると 954-459=495

このあとは何度やっても495をくり返すので[エ]=495

 

形子「私は[ウ]のあと◎の操作を1回すると[オ]になって、そのあとも続けていったら 。えっ!私も[エ]になったんだけど。」

 

右矢印 198からはじめると 981-189=792 で[オ]=792 

792をもとにすると 972-279=693

693をもとにすると 963-369=594

594のあとは屋美さんと同じで何度やっても495になる。

 

屋美&形子「先生、これってぐう然なんですか?」
先生「実はぐう然ではありません。どんな3けたの整数で始めても、◎の操作をくり返し行うと、必ず[エ]になるんです。」
屋美&形子「どうして?どうして?」
先生「3つの位の数字を、大きいほうから●、▲、◆とするね。そうすると、大きい順に並べた数は、100×●+10×▲+◆と表すことができるんだよ。では、小さい順に並べた数は、どのように表すことができるか、同じようにやってごらん。」
形子「ということは、小さい順に並べた数は、[ カ ]となります。」

⑵ [ カ ]を下線部のように、●、▲、◆を使って表しなさい。

 

右矢印 [力]=100×◆+10×▲+●

 

先生「100×●+10×▲+◆から[カ]を引いた数は、99の倍数になってるんだよ。3けたの整数で、99の倍数をひとつずつ◎の操作をして調べていくと、[エ]になることが分かります。」
屋美&形子「なるほどね!」
先生「[エ]のように、◎の操作を何度もくり返して行うと同じ数がくり返し出てくるんだよ。この同じ数のことを『カプレカ数』と呼びます。[エ]は3けたの場合ですが、『カプレカ数』は4けたの整数にもあって、[キ]となります。好きな4けたの整数を思いうかべて、3けたの時と同じようにやってごらん。ただし、4つの位の数字がすべて同じものはダメだよ。」

⑶ [キ]にあてはまる数を答えなさい。

 

右矢印 たとえば1234からはじめると

 1234→4321-1234=3087

 3087→8730-0378=8352

 8352→8532-2358=6174

 6174→7641-1467=6174

このあとは何度やっても6174になり [キ]=6174 完了