平面図形の単元で面積比を求める問題は定番の一つとなっています。この面積比の問題では、隣辺比(りんぺんひ)をうまく使うと効率よく解けるものも多いです。
隣辺比の内容説明はきょうこ先生のYouTube動画などが詳しいのでこちらに譲りたいのですが、ざっくりいうと「2つの三角形で1つの角が共通している(か角の和が180°となる)とき、その隣りにある2辺の積がそのまま面積比となる」というものです。
今年の入試問題から出題例を挙げます。
図のような辺ADと辺BCが平行である台形ABCDがあります。辺AB上の点Pと辺DC上の点Qを結んだ線で、この台形をとに分けます。との面積の比は15:□です。
(桐光学園中2022第2回)
三角形がどこにもないので、まず補助線を引いて三角形を作る。具体的には台形の外側に点Rをとって大きな三角形を作る。
ここで上にできた小さい三角形は大きい三角形とピラミッド相似形(相似比2:5)になるので、RA:2㎝=(RA+4㎝):5㎝より RA=⁸⁄₃㎝だとわかる。同じくRDも⁸⁄₃㎝(台形ABCDはもともと等脚台形なので)
こうしてできた3つの三角形について、隣辺比を使って面積比を求めると
=(⁸⁄₃×⁸⁄₃):(2⁸⁄₃×1⁸⁄₃):(4⁸⁄₃×4⁸⁄₃)=⁶⁴⁄₉:¹⁵⁴⁄₉:⁴⁰⁰⁄₉=32:77:200
これをバラして
緑::=32:45:123 より :=45:123=15:41
面積比のところでこの隣辺比も必ず学習するはずで、その名前も使い方も知っているはずですが、連比と一緒で、実際の問題を前にするとうまく使えていない小学生が多いという印象です。なんとなく補助線を引いたらなんとなく解けてしまったというケースも図形問題ではありがちなためでしょうが、それだと解けたり解けなかったりすることになってしまう。この隣辺比もせっかく習ったのに使わないのはもったいないすぐれたツールなので、自在に使いこなせるようにしておきたいところです。