お母さんが乳房の生検を受けている間
夕方の誰もいなくなった待合室で
おとなしく折り紙を折ってた少年。
すごいねー
私は鶴しか折れない
兜の折り方さえも忘れちゃった
そう声をかけたら
「兜折れるよ。兜から金魚にもなるよ。」
魔法のようにあっという間に折ってくれた。
6歳の折り紙師は他にも車や朝顔など、小さな手から可愛らしい作品を次々と生み出していく。
横に置いたポケモンの手提げ袋には、折り紙や色鉛筆や本など沢山の持ち物が入っていた。
待ち時間が長くなるのを想定しての沢山の荷物だったようだ。
折り紙師のお母さんが生検が終わってくると
「なんだ、もう終わったの?もっと遊びたかったなー」と無邪気に言う。
「はい」と折った金魚をくれて
バイバーイと手を振って帰って行った。
君のお母さん、乳がんじゃありませんように。

