この世界はすべて連邦政府に監視されている。
正確には、人の思考が、だが。
第三次世界大戦という惨事により発達した電波技術がそれを可能にした。
電磁波の照射によって監視が行われている。
特に、戦争に利用された連邦政府指揮下の超能力者達には、厳重な監視がついている。
この俺も。
俺の名はミツルという。
俺も連邦政府の超能力者で、現在は「ハウス」と呼ばれる隔離施設に軟禁状態だ。
ハウスの警備には自衛軍がついていて、彼らの銃口がいつも俺や他の超能力者に向けられている。
超能力者がその能力を使って暴れることもあると聞いた。
だから警戒しているのだろう。
だが、連邦の超能力者は、連邦が製造する薬物を投与しなければ、超能力を使えない。
俺達が生きるためには、クスリを飲み続けなければならないのだ。
そして中毒になり、使い物にならなくなったら、処分されるだけ。
そんな状況でも、今日の空はきれいさっぱり青い。