超重大機構には研究者や機材がたくさん入ってきた。
ユイとヒビキを含む研究者たちは、ああだこうだと議論をしている。
「こんな事今まで無かったからね。みんな真剣なんだよ。」
ユイがユウキに言う。
「じゃあ、そこの椅子に座って。」
ひとつの椅子に、ユウキは座った。
すると実験者達がユウキの頭に電極のようなものをたくさん付けた。
大丈夫さ。落ち着いていい。
「!」
現在の私の声は、君にしか聴こえていない。
「・・・・・・そうか。」
すると研究者達はざわついた。
「神経に反応あり!。」
「おお・・・・・・。」
するとユイが。
「ユウキ君、ハジメさんと交信しているの?」
「ええ、まあ。」
「それで、俺は何をすればいい?」
ユウキはハジメに問いかける。
なにもしなくていいさ。とりあえず落ち着いてくれ。
「・・・・・・まあ、それなら。」
ユウキは呼吸を整えて自分の心を安心させる。
君は、いつも痛がっているね。
「・・・・・・なにが?」
ユウキはハジメの発言の意味がわからなかった。
心がさ。
「痛いとは?」
またユウキはハジメに問う
だから、心がだよ。
「・・・・・・。」
君の所為ではないよ。気にしないほうが良い。
だが、それが君の能力の根っこなのかも知れないな。
「どういうこと?」
君が誰よりも優しい心の持ち主だからださ。
「・・・・・・。」
君のことを迫害する人間が多すぎた。
君が人を殺すのは君の所為ではないということさ。
「興味がないな。」
ユウキはハジメの言うことがよくわからなかった。
そこだよ。君は心が痛すぎて、自分の痛みと向き合えないんだ。
だが、それだ。
そこが、君の所為ではない。
でも、大丈夫だ。
「・・・・・・だから。」
ユウキはハジメと話すのが少し嫌になってきた。
だが、キミがそれと向き合えない限り、発達はありえない。
君は誰よりも痛みを感じているんだ。
「・・・・・・俺は、自分の意思で人殺しを楽しんでいる。」
そうやって、また自分の痛みを誤魔化す。
「お前は、何を言いたいんだ。」
ユウキはハジメに段々と怒りを覚えていた。
そんなユウキを、誰よりも心配している人間がいた。
マキだ。