父親と警察へ被害届を提出に行った翌日の自殺。
被害届さえ簡単には出せなかったであろう。
ネットによる誹謗中傷・脅迫
警察署へ直接出向いた際に対応するのは「生活安全課」である。
それ以前に受付で適当に交わされ諭され被害届さえ出せずに帰されるケースもある。
この少年が父親と警察署へ出向くまでの間の心情も如何ばかりか…
匿名でのやりたい放題のインターネット中傷に脅迫・嫌がらせ
被害者は命を絶つほど精神的に追い詰められている間
加害者は、どんな気持ちでいたのだろうか?
愉しんでいたのだろうか?胸糞が悪い。(失礼。)
この少年の死を無駄にしないでいただきたい。
インターネット上に男性=当時(18)=を中傷する書き込みをしたとして、滋賀県警少年課と甲賀署は31日、名誉毀損(きそん)の疑いで、東京都文京区の無職少年(19)を逮捕した。
関係者によると、被害者の男性は滋賀県内の高校生で、昨年9月に自殺しているのが見つかった。
会員制交流サイト(SNS)に高校生を中傷するような内容があり、県警に被害届を出していた。
逮捕容疑は2015年7月から16年9月までの間、インターネットに「様々な女ユーザーに迷惑行為を行い最終的にはそんなことをやっていないと逃げ惑っている」と、男性を中傷する書き込みをした疑い。
県警によると、少年は容疑を認めているという。県警は今後、2人の関係や動機などを捜査する。遺族によると、高校生はSNS上で自分を装った誰かが書き込んだと思われる内容で悩んでいた。9月下旬に保護者と甲賀署を訪れ相談したが、翌日に自宅で首をつっているところを発見されたという。「ごめん俺もう無理や」などと書かれた遺書のようなものが残されていた。
遺族は「まだ傷は癒えていない。あとは警察に任せている」と話した。
(ヤフーニュースより転載)
●ネットの誹謗中傷「被害者の多くは、心身に不調をきたし、辛い思いをしている」
「報道されるのは逮捕されるケースばかりなので、『名誉毀損でも逮捕される』と考えている人が多いかもしれませんが、実際には逮捕されるケースは少ないというのが実感です。
私は、しばしば名誉毀損での告訴事件を取り扱いますが、告訴が受理されても逮捕はされないというのが通常です。自分の扱った事件では、逮捕された例は1件しかありません」
清水弁護士はこのように述べる。なぜ、逮捕されるケースが少ないのか。
「そもそも、逮捕は、原則的には令状がなければ行うことができず、逃亡や罪証隠滅のおそれが必要とされています。
重たい罪であればあるほど、その罪を負うことがないよう罪証隠滅をしたり逃亡したりする動機が生まれやすいといえますが、名誉毀損罪の法定刑は『3年以下の懲役若しくは禁錮又は50万円以下の罰金』であり、重たい罪とは必ずしも言えません。
実務上も、初犯の場合には、よほど態様が悪質であるとか反省がないといった事情がなければ、起訴猶予にされることが多いように思われます。
したがって、名誉毀損罪については、罪証隠滅や逃亡までするおそれは、一般論としては低いと言うことができます」
今回のケースでは、なぜ逮捕まで至ったと考えられるのか。
「本件では、自殺という重大な結果が生じてしまっていますが、このことは逮捕に影響していると考えられます。報道によると容疑を認めているということで罪証隠滅のおそれは低いといえるのでしょうが、重大な結果が生じていれば、逃亡のおそれは高くなるといえます。
また、被疑者が自殺する危惧がある場合、それを防止するために逮捕するということもあります(自殺すれば『本人』という証拠が隠滅されることになり、また、逃亡に当たるとも評価できます)。
本件では被疑者が少年ということもあり、精神的な未熟さ等を考慮して、自殺防止という観点で逮捕した可能性もあるかもしれません。
『ネット中傷で自殺なんて…』と思う方は、実は少なくないのではないかと思います。これは『たかがネットのことでしょ』という意識がどこかにあるからだと思いますが、それは大きな間違いです。被害者の多くは、本当に心身に不調をきたし、辛い思いをしています。
自分が同じ被害に遭ったらどうなるのかということを考えた行動をしてもらいたいと思っています」