塚越健一のキリキリ舞いな少年の晩年。

塚越健一のキリキリ舞いな少年の晩年。

四十路を迎えたDULL-COLORED POP所属の舞台俳優「塚越健一」の
とぉーっても個人的なブログ。
観劇や読書記録、稽古場での出来事等々・・・
何気ない日常の、そこはかとない記録。

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2017年一発目カクシンハン第10回公演「マクベス」が
昨日無事に終了いたしました。
昨年11月の青☆組「パール食堂のマリア」から、自身
のプロデュースによるオトナの事情≒コドモの二乗公演
「楽屋-流れ去るものはやがてなつかしき-」、そして
この「マクベス」と怒涛の年末年始を過ごし、振り返りも
まだままなりませんが、とりあえずは一息・・・(苦笑)。
 
 
DULL-COLORED POPが活動休止に入って、この先の目標と
して定めた
「古典をやる!」
その第一弾が今回の現場でした。そしてこの稽古場のなんと
刺激が多かったことか。
年明けから遅れての合流だったのですが、行って初めて見る
景色の凄まじさったら(笑)
高い熱量を持った出演者たちが立ち上げる、およそこれまで
想像しなかった風景…
ガチャガチャとパイプ椅子が空を切り、地に転がり、10人を
超える魔女たちが舞い狂い、ヘカテはラップで呪文を唱え、JK
の制服を着た血塗れのバンクォーの亡霊がマクベスの前に現れる。
想像の斜め45度上を行く物語世界に、自分の中に今まであった
概念をすべてぶっ壊さないと、このクリエイションに参加できないぞ
と気を引き締めたものでした。
そのすさまじい世界の真ん中にスッくと立つ河内大和
自由奔放に駆け巡る白倉裕二、虎視眈々と隙を伺う鈴木智久
正統の基本に拠って立ちながら、果敢に新しい表現を模索する
鈴木彰紀鈴木真之介…そして新しいジャンルに貪欲に、
そして誰よりも先頭を切ってぶつかっていく東谷英人
現場を引っ張っている素晴らしい俳優たちの挑戦に刺激を
受けながら、自分がどう影響を加えていけるのか頭も体もフル
回転の毎日でした。
 
 
この俳優たちと同じ稽古場で、一つの作品作りをできたことは
僕にとって掛け替えのない経験になりました。手癖では許されない、
気を抜いたら1秒でも立っていることのできない空間を立ち上げられ
たこと、そして自身ではダンカン、門番、医者とあまり描き込まれて
いない人物たちを、どうやって立体的に立ち上げていくのかという
課題に取り組むことが出来ました。
 
 
鈴木彰紀と、鈴木智久…愛する息子たち(笑)。
 
また機会があればこの現場に戻ってきたい、此のすさまじいまでの
革新的な現場に返って、シェイクスピアの作品に立ち向かってみたい。
そう思える現場でした。
 
 
この挑戦を糧に、次の現場に向かいます。
 
最後にご来場くださった皆様、関わってくださったスタッフの皆さん、
そして何よりこの機会を下さった演出の木村さんと、共に闘った
共演者の皆さんに心よりの感謝を。
本当に有難うございました!
 
 
 
 
 

帰宅して、スイートポテト作ってます。

ぇ?って声が聞こえてきそうだけど。

谷センセイにはTwitter上で、応援半分に

「芝居の特典にメシをつけるな!」なんて言われたけどww。

きちんと劇団員たちのその後の活動に注目しながら、応援

してくれてる、照れ隠し半分、意見半分ののツイート見て

喜んでる僕はやはり生粋のマゾなんでしょうねww。

 

今回の特典は思い付きです(待て。

というか、日頃応援してくださってる皆様に、なにか感謝の

気持ちを伝えるすべはないだろうか?と、無い知恵を振り絞って

出した一つの答えなんです。

勿論、面白い作品を作ってお目にかけるって言うのが本筋です。

僕らはあくまで役者で、表現者なんですから。

だけどそれ以外で、なにか…

活動を休止した『DULL-COLORED POP』という団体や、

谷賢一がお客様から頂いている信頼感ではなく、

イチ俳優『塚越健一』の立ち上げた企画、そしてそこに参加してくれた

キャストやスタッフ各位への期待や、信頼というものに何かもう一つ

応える術はないかと悩んだ結果なのです。

悩んだといっても、取り柄のない僕に出来る事といったら、料理しか

ないわけで当然の帰結と言えば、当然なんですけどねww。

とはいえ、一番その僕の気持ちが伝わりやすいのかな?とも

思っています。「料理の味を決めるのは、作り手の愛情」というのが

僕の信条ですから。

 

「当たり前のことを、当たり前に。一つ一つ手を抜かず、丁寧に」

 

これを召し上がってくださる皆様の笑顔を思い浮かべながら作っています。

あ、これ未だ試作品ですし、これを出すと決めた訳でもありません。

候補ですけどww。

何が出るかは、ご来場いただいてからのお楽しみww。

そんな小さな楽しみを一つ付け加えれていたなら幸いです。

 

まだ間に合います。受付は25日金曜の23:59分までです。

一人でも多くのお客様に受け取っていただければ幸いです。

さて、寝ます。明日も稽古です。更に貪欲に作品と向き合ってきます。

ではでは。

*画像はイメージです。

 

オトナの事情≒コドモの二乗 Op.3 清水邦夫作品集より
『楽屋~流れ去るものはやがてなつかしき~
2016/12/23(金) ~ 2016/12/27(火)
花まる学習会王子小劇場

【脚本】 清水邦夫 【演出】 北川大輔(カムヰヤッセン)

【出演 】
木下祐子
東澤有香
岡田あがさ
大原研二
(DULL-COLORED POP)
渡邊りょう(悪い芝居)
辻貴大(カムヰヤッセン/FunlQ)
塚越健一
(DULL-COLORED POP/オトナの事情≒コドモの二乗)


【チケット】前売り 3,500円 当日3,800円 学生2,500円 (要学生証)

http://ticket.corich.jp/apply/78438/ 

【タイムテーブル】 
12月23日(金)19:00 をんな ◇ 
12月24日(土)14:00 をとこ ◇ / 18:00 をんな
12月25日(日)14:00 をんな/ 18:00 をとこ 
12月26日(月)19:00 をとこ
12月27日(火)14:00 をとこ/ 18:00 をんな


*◇の回にはゲストをお招きしてのアフタートークあり
12/23(金)19:00 DULL-CLORED POP主宰 谷賢一さん
12/24(土)14:00 アマヤドリ主宰 広田淳一さんをお迎えします。

 

吉祥寺シアターで上演されておりました、青☆組公演『パール食堂のマリア』

無事に閉幕いたしました。

以前から作品はよく拝見していたのですが、参加するのは初めての団体。

そして、ウチの『河童』はゲスト出演だったので、実質初めての吉祥寺シアター。

初めましての方が多かった共演者の皆様と・・・自分的には初めて尽くしの

座組でしたが、

「人見知りなクセに強引'g my way」「セクシャリティの押し売り」と揶揄され

る僕を温かく迎え入れて頂き無事に千穐楽まで走りきることが出来ました。

支えて下さった関係者の皆様、そして劇場に御運びくださったお客様に、

この場を借りて、心より御礼申し上げます。有難うございました!

 

 

そしてこの公演で、自分は最近考えていた「引き算の演技」というものに対する

考察を更に深めていきました。

何だか野田地図の「TABOO」に出てくる「せぬ芸」みたいなことを言っていますが

(笑)。世阿弥の言葉を借りればこうなります・・・

 

見所(けんじょ) の批判に云はく、「せぬ所が面白き」など言 ふ事あり。

これは、為手(して) の秘する所の安心なり。

まづ、二曲を初めとして、立ちはたらき・物まねの色々、 ことごとく

みな身になす態(わざ) なり。せぬ所と申すは、 その隙(ひま) なり。

このせぬ隙は何とて面白きぞと見る所、これは、油断なく心を

(つな ぐ)性根なり。

舞を舞いひや む隙、音曲を謡ひやむ所、その外、言葉・物まね、

あらゆる品々の隙々に、心を捨てずして用心を持つ 内心なり。この

内心の感、外に匂ひて面白きなり。 かやうなれども、この内心ありと、

よそに見えて は悪かるべし。もし見えば、それは態になるべし。

せぬにてはあるべからず。無心の位にて、我が心を 我にも隠す安心

にて、せぬ隙の前後を綰ぐべし。こ れすなわち、万能(まんのう)

一心にて綰ぐ感力(かんりき) なり。      (『花鏡』「万能綰一心事」)

 

これを野田さんの言葉を借りて分かり易くすると・・・

 

世阿弥陀: かつてこの小面は、私に摺足を命じまし た。地より、

      その足を決して離すなよと。しかし 近頃は、もうよい舞う

      な、何もするなと命じるの です。

将軍 : しかし、何も舞わなくなったら、わしらは、 何を見ればよ

     いのだ。

世阿弥陀 : 何もせぬわたしのその後ろで、もうひとり私が舞って

      おります。それを御覧下さい。

将軍 : そんなものを見ることができるのか。

世阿弥陀 : それが見えました時、私の芸は完成する のです。

将軍 : それが『せぬ芸』か。    (「TABOO」第十四場より)

 

まぁ、何がどうというような野暮は言いません。

ただもうしばらくは此の事を考えながら、お芝居をしていくんじゃないかなぁと

思ってたりします。

 

もの言わぬ墓標は何よりも語り掛けてくれます。

 

さて、次はいよいよオトナの事情≒コドモの二乗です。

『楽屋-流れ去るものはやがてなつかしき-です。

二十年越しの企画に全身全霊で邁進していきます。

皆様、チケット絶賛発売中です!誰が讃えてくれてるのかは知りませんが(笑)

振込予約限定、前売り料金と同価格でのお得な特典付きチケットも、評判です!

是非、劇場に御運びください!!

【詳細】https://otonanojijyou-kodomono2.amebaownd.com/ 

【チケット御予約】ticket.corich.jp/apply/78438/