璃子「確かに言ったけど、最近、作ってない」

 靖幸、笑う。

璃子「何、その笑い」

靖幸「逃げたなって思って」

璃子「そういう事じゃなくて、仕事が忙しくて、作る時間が無いの。それに、お弁当は作った経験無いし」

靖幸「高校の時は?」

璃子「母親が作ってた」

靖幸「1回くらいは?」

璃子「じゃあ聞くけど、高校生の時、作った?」

靖幸「無いよ」

璃子「ほら、作った事無いでしょ」

靖幸「俺は、食事を1食抜いて、その昼食代で遊んでたタイプ」

璃子「だから、いつもお腹減らしてて授業の内容が頭に入らなくて、成績が伸びなかった?」

靖幸「勉強は、元々向いてなかったの」

 璃子、笑っている。

 靖幸、ドリンクを飲む。