迷彩服安全か? | 戦車兵のブログ

戦車兵のブログ

元陸上自衛隊の戦車乗員である戦車兵のブログ
北海道在住でマニアックなメカとしての戦車じゃなく、戦車乗りとしての目線から自衛隊や戦史、戦車を見る!!。
ブログの内容・文章・画像を許可無く無断転載を禁じます。
悪質な場合は著作権侵害となりますのでご注意下さい。

 

FBで敵兵を倒した兵隊が敵兵から奪った軍服とか装備を嬉しそうに装着している写真を掲載していた。

 

これって記念写真だろうけれど味方に間違って撃たれたりしないのかって話になった。

 

戦場なら友軍同士で撃ち合いになることも珍しくないし、ましてや敵兵の装備を身につけていたら撃たれてもしょうがない。

 

 

 

迷彩服はファッションであるが、現実には軍服であり戦闘服である。

 

 

もっと言えば敵味方を識別する軍服で戦闘服なのである。

 

 

軍服を着て特殊徽章である記章や階級章などをつけているのは軍人である証なのである。

 

世界的にはファッションで本来着てはいけないものという認識なのだが、日本じゃ一般人も着ているし人によっては本物の記章や階級章をつけている人も少なくない。

 

 

自衛隊に限らずあらゆる国の迷彩服が入手できるし買って着ている人なんて珍しくもない。

 

平時ならなんの問題もないし別に気にすることもない。

 

でもね・・・・・、有事の場合はちょっと事情が異なる。

 

戦場で友軍ではない国の迷彩服を着ていたら撃たれてもしょうがない・・・・。

 

迷彩服は戦場では軍服だし、ファッションで着るものではない。

 

 

戦場なんだから安全なんじゃないのか?というのはどうだろう・・・一般人が着ていたら日本人なのかそれとも敵兵なのか識別は困難だし、戦場で迷彩服を着て敵兵に捕まった場合、軍服で戦闘服である迷彩服に特殊徽章と呼ばれる記章や階級章や部隊章もなければ「スパイ」として処理つまり撃たれても文句はいえない。

 

もちろん一般人なのに迷彩服に他国の階級章や記章とか部隊章を付けていたら・・・軍法会議の後に銃殺刑にされても文句はいえないのです。

 

 

有事の時は迷彩服をファッションとして着ていたら撃たれても文句は言えないってことだね。

 

迷彩服は敵から見えにくいように作られている。

 

でも偽装とかいろいろしていたらの話。

 

画像を見ても解るよね。

 

 

 

交戦者資格の四条件というのがハーグ陸戦条約にある。

 

陸戦の法規慣例に関する規則」の第一条で規定される民兵及び義勇兵団における合法交戦者を定義する四つの条件である。

 

 

交戦者資格の四条件は、ハーグ四条件交戦者の条件ともいわれる。

 

 

もともと正規の教育訓練を受けた兵士と比べて、指揮系統が不明確で、遵法意識の低い民兵、義勇兵を想定しているが、適用範囲は合法交戦者全体に及ぶ。

 

 

交戦者資格の四条件は、ハーグ陸戦条約中における「交戦者」の定義であり、ハーグ陸戦条約における権利・義務の適用者(たとえば捕虜待遇などの交戦者特権を持つ者や、降伏・休戦が適用される者)たる条件を規定している。

 

四つの条件のうち一つでも欠けると非合法交戦者とみなされ交戦者特権を失う場合がある。

 

 

また、兵士を文民と明確に区別することで、文民に不条理な被害が波及することを防いだり、非合法交戦者が無秩序に戦闘を拡大して犠牲者を増やさないようにする目的もある。

 

 

 

第二次世界大戦以前の戦争においては、比較的よく遵守されていたが、その後便衣兵・ゲリラなど非合法交戦者による戦闘行為や、文民によるテロ行為など、交戦者資格の四条件が遵守されないケースが多々生じ、今日も各国間に怨恨を生む原因となっている。

 

南京攻略戦で逃げだした支那兵は軍服を脱ぎ民間人の服装で紛れた。

 

そして日本兵に攻撃したりしたため敵兵か一般住民の識別が困難なため多くの一般人を巻き込んだ。

 

 

 

ハーグ陸戦条約附属書 陸戦の法規慣例に関する規則

第一款 交戦者

 

第一章 交戦者の資格

 

第一条 戦争の法規および権利義務は、単にこれを軍に適用するのみならず、左の条件を具備する民兵および義勇兵団にもまたこれを適用す。

 

一  部下の為に責任を負う者その頭に在ること

 

二  遠方より認識し得へき固著の特殊徽章を有すること

 

三  公然兵器を携帯すること

 

四  その動作につき戦争の法規慣例を遵守すること

 

 

民兵または義勇兵団をもって軍の全部または一部を組織する国にあっては、これを軍の名称中に包含す。

 


これを平易に書くと次のとおりである

 

 

戦争の法規および権利義務は、単に正規軍だけでなく、下記の条件を満たす民兵や義勇兵団にも適用する。

 

 

一  上官として責任者がいること

 

二  遠くからでも判り易い特殊徽章をつけること

 

 

三  武器を隠さず携帯すること

 

 

四  行動する際は戦争の法規と慣例を遵守すること

 

 

民兵や義勇兵団を軍の全部または一部とする国においては、これも正規軍と称することができる。

 


例外規定が第二条に示されている。

 

 

第二条 占領せられざる地方の人民にして、敵の接近するに当り、第一条によりて編成を為すの遑(いとま)なく、侵入軍隊に抗敵する為自ら兵器を操る者が公然兵器を携帯し、かつ戦争の法規慣例を遵守するときは、これを交戦者と認む。

 

 

こういう国際的なルールや常識を知らないでファッションで戦場に居たら・・・・怖いことになる。

 

日本は軍事的常識を知らない人が圧倒的に多いので危険もそれだけ多くなる。

 

危機管理というのは防災グッズを備えるだけではダメなのだ。

 

有事になった場合、いろんなことが死に直結する事態になるとも限らないのだから。

 

迷彩服は一般人にとってファッションでも戦場では戦闘服なんだってことを知っておくのは危機管理の一つかもね。