光免疫療法については、何年か前に胸腺腫・胸腺がんのセミナーで適用可能性について質問したところ、「胸腺に光をあてるのがそもそも難しいため、あまり期待できない」という主旨のご回答をいただいたことがあったので、その後はあまり調べていませんでした。
2018年、国立がん研究センター東病院で治験が行われていた頃。復職のため転院することになり(今の病院とは違うところ)、最初に診察を担当した先生に「光免疫療法について教えて下さい」と質問したら、
「何ですか、その民間療法は?」
と言われたくらいで、(その先生はがんが専門じゃなかったのかも知れないけど)当時は医者でも知らない人がいるような状況でした。
それが今では一般向けの本が出るくらいになったんだなぁ。新書で気軽に読めそうだし、他の療法についても書かれているようなので買ってみたら…「光をあてにくい深い場所にあるがんについては、光ファイバーを患部に刺すなどすれば、光を届けることが可能」と書いてある。
うーん。光をあてることはできなくもなさそうだけど、それってやっぱり手術なんだろうなぁ。確定診断のため、胸腔鏡で組織を取ったことがあるけど、そんな感じになるのかな?だとすると、それなりに大がかりなことになりそう。 ←全身麻酔でした。
他にも気になることが書いてありました。「(頸動脈近傍では)がんが一度に消えるため、血管が露出してしまい、大量出血を起こす怖れがある」「大きながんが一度になくなると、臓器に穴が開く恐れがある」。
…縦隔なんて大血管とか、ヤバそうなモノがいろいろとあるのでは?CTを撮ると、いつも大動脈弓が映ってるし…。
というわけで、最初の「光をあてるのが難しい」問題のほかにも難しいことがありそうだと感じたのでした。
この本は医療の専門家ではなく、毎日新聞社の編集委員の方が書かれていて、光免疫療法の仕組みや、なぜ光「免疫」と呼ばれるのか、といった説明が易しく書かれているので、概要を知るにはお手頃な本かな、と思います。