秋田医報(2) 

「秋田医報題2弾」である。秋田のW医師が「秋田医報3月号(2001年)」に「活性水素」と題して投稿され、まさか続報が投稿されるとは思いもよらないことだったので、ご連絡をいただいた時は正直ビックリしたものである。
そして、今、当時の状況を考えてみると、W医師が整水器を取り付けてからごく短期間に劇的な効果があったことが分かる。

単純に考えると、秋田医報3月号に投稿するということは原稿締め切りが2月末。原稿を書くのに2週間を要したとして1月半ばには原稿を書き始めたことが想像される。
前年12月にトリムイオンを取り付けたわけですから、「秋田医報」の投稿の内容は電解還元水を飲み始めて1ケ月ほどの体験(症例)だということになる。
そして「秋田医報題2弾」は6月号。「活性水素水(続報)」としてその後の検証されたことをより詳しく報告されている。



秋田医報
<平成13年6月号より>

活性水素(続報)
「活性水素」の効果については、H13年3月15日発行の秋田医報で紹介しましたが、今回、便通異常の11例でその効果を検討いたしましたので、その結果と、もう一度「活性水素」について特に腸について考察してみたいと思います。

(結果)

第1例 65歳 ♂ 医師

長年、腹痛を伴った兎糞状と下痢状便を1日5~6回繰り返し、アルコール、牛乳で症状が悪化。種々の治療効果が無効であったが、一日2リットルの活性水素水(還元水)摂取3週間目から症状が完全消失し、アルコール、牛乳を飲んでも、1日1回の悪臭のない黄色の大量便に改善され6ケ月持続中。副作用なし。(著効)

 

第2例 42歳 ♀ 看護婦

10数年前から5日~7日に1回の頑固な便秘で、排便時の冷や汗、失神感、又下肢浮腫感、腹部膨満感、下腹痛、腰痛があり種々の治療で改善されなかった。還元水1日2リットル以上摂取1ケ月目から、隔日の黄色い悪臭のない大量便となり症状改善し、摂取1ヶ月半ごろから1日1回の快便となり症状もすべて消失し6ケ月持続中。副作用なし。(著効)

 

第3例 73歳 ♂ 医師

10年前胃全摘出後、腹部不快感、便秘、下痢が持続し、種々の治療でも一進一退で貧血を認め食欲不振あり。1日0.8リットル~1リットルの還元水摂取2週間で症状が完全消失し、黄色の悪臭のない大量便となり、摂取2ヶ月目から貧血改善、食欲増進し、10年来の念願であった体重増加を認め5ヶ月持続中。副作用なし。(著効)


便通異常を訴えた11例中、著効3例、有効4例、やや有効4例で無効例はありませんでした。

やや有効の4例は、外仕事の関係で、1日の摂取量が1リットル前後と少なく、もし2リットル以上摂取できたとすれば、もっと症状の改善が期待できたと思います。さらに全例に悪臭のない黄色便を認めたことは、腸内フローラが完全に善玉菌支配に変わった証拠といえると思います。国立大蔵病院消化器科の北洞哲治先生の、還元水による世界初の二重盲検試験でも、腹部愁
訴を有する163例に対し80.5%の効果を認めております。このデータは、試験水500ミリリットルを4週間飲用させたものであり、もし1日2リットル以上をさらに長期間飲用させていれば、有効率がもっとあがったのではないかと思われます。

人間の腸内には100種100兆個といわれる腸内細菌がいるといわれております。これは想像以上に人の健康に密接に関わっており、良い働きをする菌もいれば悪影響を及ぼす菌もいます。善玉菌が優勢であれば健康体でいられますが、悪玉菌が優勢になれば便秘や下痢、さらに深刻な病気の原因なります。
腸内発酵は、腸内菌の善玉菌(ビフィズス菌)と悪玉菌(ウェルシュ菌等)のバランスが崩れ、悪玉菌優位の腸内フローラの状態をいいます。
悪玉菌は蛋白質を分解して、ニトロソアミン、インドール、スカトール、ヒスタミン、アンモニア、硫化水素等の腐敗物質を作り悪臭の原因となります。これらの腐敗物質を長い間発生させていると活性酸素が放出され、やがて過剰となり結果的に病気を引き起こすことになります。従って「悪臭便」を慢性的には排泄している人は。「活性酸素」を慢性的に作り出していることになります。

腸内異常発酵を防ぐためには、ビフィズス菌等の善玉菌が常に効果的に働ける環境を作ってやる事が大切です。
研究者達によれば、図に示すように、ビフィズス菌が棲息している環境は、酸化還元電位か-150mv~-300mvと低く低酸素状態にあります。ところが活性酸素が多い環境では酸化還元電位が限りなくプラスの方向に変化している可能性があります。従って活性酸素の多い環境では、ビフィズス菌はあまり効果を発揮できないことになります。トリムイオンの活性水素整水器は、+550mv~+660mvの酸化側の電位にあった水道水が、整水器を通過することによりー150mv~-300mvの活性水素を多く含んだ還元水に変わり、ビフィズス菌の非常に元気になる環境を作ってくれるわけです。(略)

さて、ここで色々と問題があります。この整水器の還元水を摂取すると、著効例の様な可也りひどい便通異常でも確かに治ってしまいます。しかも今までどんな治療をしても治らなかったものが、この還元水を摂取すると何故こうも簡単に治ってしまうのでしょうか。
第1例は完全な過敏結腸症候群で、元々この病気は腸の痙攣が原因になっているわけです。また牛乳が合わないのは、乳糖分解酵素が不足している為に起こるわけです。しかしそれらのこととは全く無関係に、還元水だけで治ってしまうというのは一体どういうことなのでしょうか。

第2例は全ての治療に抵抗して10数年続いた頑固な便秘が、全く同じ環境であるにも拘わらず、還元水の摂取だけで治ってしまうのは誠に不思議な話です。

第3例は可也少ない量で早期に効果が現れております。胃全摘しておりますので還元水が直接腸に入るわけですが、還元水が胃酸を通過するかしないかで、その効果の発現に差があるのでしょうか。またビタミンB12、造血剤を長期服用しても改善されなかった貧血が、なぜこんなに早く治ってしまったのでしょうか。

一体還元水で腸に何が起こっているのでしょうか。研究者達の言うように、活性水素が活性酸素を消去し、さらに酸化還元電位が好転し、ビフィズス菌支配の腸内フローラに変わった為なのでしょうか。もしそうだとすれば、これを人体で証明する必要があります。その為にはまず経口的に腸へ挿管し、消化、吸収の検索と合わせて、腸内の活性酸素、活性水素、PH、酸化還元電位、ビフィズス菌数、アンモニアやフェノール等の有害物質、短鎖脂肪酸等の有機物、インドールやスカトール等の腐敗物質等について、還元水摂取前後でどのように変化しているかを検討する必要があります。
動物実験や臨床データだけでは説得力に欠けます。こういう変化があったから有効なんだという客観的な証拠が示されなければなりません。今後の消化、吸収、蠕動も含めた総合的な研究にぜひ期待したいものです。

     <略>

活性酸素は代謝過程で産生されるだけだなく、過度のスポーツ、大量の飲酒、喫煙、不適切な食生活、食品添加物、化学物質、紫外線等でも増加することが分っております。
また、活性酸素は白血球が異物や細菌等を細胞の中に取り込み殺していく過程でも大量に発生すると言われております。
又腸で悪玉菌が増殖している状態でも、これを是正する為に多くの活性酸素が放出されており、一面では体に不可欠の物質でもあるわけです。しかし、これが過剰になってしまうと結果的に自分自身を攻撃して、種々の病気を引き起こしてしまうという二面性を持っているわけです。

人間の体を酸化状態になるべく曝さない様にし、抗酸化物質を沢山摂って還元状態にする様努力することが大切で、それが一番の基本であることには変わりありません。しかし、SODは年と共に減少しますし、我々をとりまく環境にも種々の酸化物質が溢れている現状では、自分の努力だけで生体を還元状態に保ち続ける事は非常に困難です。
活性酸素を除去する物質は種々ありますが、活性水素はそれらとは全く異質なニアンスで、抗酸化剤の強力な一員となり得ないだろうか。

平成12年1月の日本医師会の「生活習慣病と酸化ストレス」の特集でも、各個人の遺伝情報を加味し、適切なバイオマーカーによる各個人の酸化度から,発病に至る前段階で発病を防ぐ健康管理が、21世紀の医療の中心となると明言されております。活性酸素をいかに発生させないか、また発生した活性酸素をいかにやっつけるかが今後の課題であり早急な対策が必要とされます。
研究者たちは、「活性水素」は我々が本来備えている自然治癒力が、酸化作用(主として活性酸素が原因)によって失われつつある状態を、還元力によって蘇らせる理想的な還元剤だと主張します。果した21世紀、「活性水素」は一体どんな役割を演じてくれるのでしょうか。

(参考文献)

1.フルーラジカル入門  吉川敏一著 先端医学社(1996)
2.第7回機能水シンポジウム講演要旨集(2000)
3.電解還元水のしおり(水の舞)
4.日本医師会雑誌     第124巻11号1537-1590(2000)
5.電解還元水の活性酸素類の消去およびDNAの酸化損傷からの保護作用

白畑實隆 BBRC.Vol234.No.May8.269-274(1997)


「病と老化の元は活性酸素」「万病の元は活性酸素」と医学会が言い出してから20年以上になるそうだ。その医学会が実際の診療や治療に患者さんの体内の「活性酸素」の量や活性酸素による酸化度を調べ、酸化を還元する治療を行っているかというと、未だそういう話は聞こえてこない。
W医師は書いている。「・・・各個人の遺伝情報を加味し、適切なバイオマーカーによる各個人の酸化度から,発病に至る前段階で発病を防ぐ健康管理が、21世紀の医療の中心となると明言されております。活性酸素をいかに発生させないか、また発生した活性酸素をいかにやっつけるかが今後の課題であり早急な対策が必要とされます」 
平成12年の段階で日本医師会の関係誌に、そういう記事が掲載されていたというのです。「21世紀の医療の中心となる」と明言されているというのです。
しかし、21世紀に入って10年目を迎える今日、「21世紀の医療の中心となる」酸化還元療法の中心となるであろう電解還元水や研究者たちを糾弾する声は聞こえても、推進しようとする動きは、監督官庁たる厚生労働省をはじめとして聞こえてこない。逆に薬事法上認めないという動きが見えてくる。

旧態依然の医療によって、国家財政の破綻と国民の健康が危ぶまれている。「21世紀の医療の中心となる」と明言されていたことはどこへ行ってしまったのだろうか?