「クラスター説は科学的に否定されている」なんて誰がいったの?

前回、世の中の99.9%は仮説であって、科学的根拠も仮説にすぎないという竹内氏の著書のことをご紹介した。

機能水といわれる、いわゆる水にエネルギーを与えて、水に何らかの機能を与えた水…例えば電解還元水は「健康に良い水」とか…の宣伝に「水のクラスターが小さくなる」というような宣伝が行われている例が多い。どのような宣伝かというと…

おいしい水、浸透力の良い水は「クラスターが小さい」というような宣伝が行われてきた。クラスターとは水の分子集団で、この集団は通常15~16個くらいの水分子集団で存在しているのですが、例えば、電気分解した還元水はこの集団が5~6個の小さな集団になって細胞への浸透力が高くなるため「おいしく健康に良い水」であるという宣伝です。

これに対して、お茶の水女子大の「水商売ウォッチング」では、「クラスター説は科学的に否定されている」から、そういう宣伝は間違いであると指摘している。

「水のクラスター説」は、簡単に言えば、例えば電解還元水などは普通の水と違っていくら飲んでもお腹に溜まらない。腎機能が弱い人は水を飲むと体がむくむのに、電解還元水は不思議なことにむくまない。いくらでも水が飲める、という体験もそのひとつである。いままで飲んできた水と違って浸透力が強い水であるということは体験上実感できる。そこでこのことを説明する仮説として「水のクラスター説」がでてきた。そして受け入れやすい説だったので一般に広まったといえます。

もちろん私は科学者ではないので一般論として広まった「クラスター説」が「科学的に否定されている」ということを「水商売ウォッチング」で知り、それを信じて、クラスター説を宣伝で使うことをやめています。
お客様からの問い合わせに対しても「クラスター説」は科学的に否定されているので、そういう説を唱えることは間違っていると答えてきました。ただ「浸透力」については否定していません。
ここが、「水商売ウォッチング」と我々との見解の相違があるところです。彼らは「クラスター説」の否定=水の浸透力の否定に繋げています。

機能水を利用している方々は「浸透力が強い」と実感で味わっています。
そして「起こっている現象」の根拠として「クラスター説」という仮説が出てきたのであって、「クラスター説」が科学的に否定されたからといって、いわゆる機能水と呼ばれる水の浸透力をも否定するのは、本末転倒であろう。

さらに驚くべき事を吉岡氏の「水は変わる」で知った。
吉岡氏は「『水商売ウォッチング』で言っている『クラスター説は科学的に否定されている』との主張は、「実は、『今の科学では本当のことは分からない』というのが正しい」と示唆している。
即ち「現在のところ水のクラスターを測る方法がない」というのが真実なのだそうだ。そうなると、またいつか来た道ではないかと私は考える。

前回「電気分解した還元水には水素が溶存する」という仮説に対して「水に水素が溶存するなんて科学の非常識」という批判があったことをご紹介した。
今から考えれば、当時は溶存水素を計測する機器がなかったから、仮説を実証することができなかっただけでしたので「クラスター説」と同じく「今の科学では本当のことはわからない」という表現が正しかったのです。
そう考えると批判派は「批判のための批判」を意図的に展開しいる。「科学的に証明されていない」ということを「錦の御旗」に「仮説」を馬鹿にし否定論を展開している。

しかし、世の中の99.9%は「仮説」であって科学的根拠も仮説にすぎない。
しかも、今の科学力でこの宇宙のこと、地球上に起きていることのどれほどのことが科学的に証明できているのかということを考えたら、それはほんの一部のことでしかない。
まず、何か起きているのかを調べ、そこから仮説が生まれる。やがて研究が進み科学的な証明がなされるのである。批判している暇があったら、なぜそのようなことが起きているか、科学的研究をすることが、科学者や大学の研究室の務めでしょう。素人の私たちにできるわけがないのですから…。

九州大学大学院の白畑教授や協和病院の河村院長などは、科学的な研究を進めています。あなた方は批判をしていますが、どちらがまともな道を歩いているかは、自ずとわかることです。

「クラスター説は科学的に否定されている」なんて誰がいったの? 「申しわけございません。私たちの力不足で『今の科学では本当のことは分からない』のです」と頭を下げるのが本筋なのに、我々素人の浅学につけこんで「科学的に否定されている」とはよくも言ったりです。

あとは「水商売ウォッチングの「クラスター説」批判に対する吉岡氏の『反論』」に譲って今回はお開きといたします。