ロシアW杯アジア最終予選の天王山・豪州戦を明日に控えて、ネットでは合宿練習の取材をもとにしたスタメン予想記事が飛び交っています。

その中で出色は、柴崎岳選手が香川真司選手に代わってスタメン起用されそうだ、という記事です。

8/30(水) 5:03配信のスポーツ報知は「柴崎岳が司令塔!約1年10か月ぶり先発に「これも運命というか」」 という見出しをつけています。

8/30(水) 6:02配信のデイリースポーツも「柴崎インサイドハーフ先発浮上!豪州撃破へ大一番の強さ信頼 主力組でテスト」 というタイトルです。

柴崎選手といえば、昨年12月のFIFAクラブW杯決勝で、レアル・マドリー相手に2ゴールを叩き込み一躍その名を世界に轟かせましたが、今年に入って移籍したスペイン2部テネリフェで、当初、孤独の日々を送っているのではないかと報じられたりして、日本のファンをやきもきさせました。

その後、チームの主力として認められ、一部昇格争いに最後の最後まで貢献して、その実力が最後の対戦相手ヘタフェの目に留まり、今月の新シーズンもレギュラーとして順調にスタートしているという、起伏の激しい9ケ月を送ったわけです。

そうした経験が彼を強くしたのでしょう。特に私は、2月に彼のもとを訪ねてくれた一人の日本人女子選手との出会いによって、上り方向に変わったのではないかと思っています。まさにターニングポイントではなかったかと・・・。

当ブログでは、そのあたりのことを、2017.02.20に次のように書き込んでいます。少し長くなりますが、お読みください。

「柴崎岳選手がいるテネリフェ、スペイン本土から遠く離れた島に、日本からなでしこリーグ経験者が、スペイン女子リーグに参戦しているため滞在しているそうです。

 堂園彩乃選手、テネリフェ島にあるチーム・グラナディーラ・エガテサに所属してレギュラーとして活躍しているといいます。
 

2016年7月31日付けでZONEwebサイトに発表された轡田哲朗氏のコラム「26歳で二度"引退した"元浦和Lの万能MF・・・」に彼女のことが紹介されています。

 今回、その堂園選手が柴崎選手と面会してくれたというニュースが流れてきたのです。この出会いを彼がどう生かすか、生かすもムダにするも彼次第なのですが、私は「もしかして、彼が自分を取り戻すキッカケになるかも・・・」と密かに期待しています。

というよりキッカケにして欲しいのです。こんな出会いはそうあるものではありません。人生を変える出会いとなってもおかしくない出会いです。少なくとも私は、しばらくウォッチし続けたい気持ちです。」


その柴崎選手、いわゆる「プラチナ世代」と呼ばれる1992年生まれのキラ星のようなタレント軍団の一人です。

当ブログでは、昨年9月10~11日の3回連続テーマ「ハリルジャパンの世代交代、果たして図られるのか・・・。」の(3)で、日本代表の世代交代のためには、いわゆる「プラチナ世代」と言われる選手たち、具体的には宇佐美貴史選手、宮市亮選手、武藤嘉紀選手、小林祐希選手、柴崎岳選手、昌司源選手の中から、少なくとも3人は、年明けのロシアW杯アジア最終予選までに、スタメンに名を連ねて欲しい、と書きました。

これまでのところ、スタメンに定着している選手は一人もいませんし、アジア最終予選も最後の2試合を残すところまで来てしまいました。

それでも、まず昌司源選手がスタメンに近いところまで成長して、ここにきて柴崎岳選手もスタメンとなれば、やっと二人というところです。いずれも鹿島出身、昨年のクラブW杯直後、当ブログは「何がうれしいかって、日本代表に少なくとも2人厚みが加わることです。」(2016.12.18)と書き込みました。まさに、現実になりつつあります。
 

これまで「プラチナ世代」といえば、ほとんどの場合「宇佐美貴史選手を筆頭に」という枕詞がつけられていました。まさに宇佐美選手が、この世代の「バンディエラ=旗手、先頭を行く選手」でしたが、長らく雌伏の時を重ねています。

宇佐美選手については、さきほど紹介した昨年9月10~11日の3回連続テーマの(3)の中で、期待を込めて次のように書き込んでいます。これも少し長いですが再録します。

「「プラチナ世代」のバンディエラ、宇佐美貴史選手、8月14日の書き込みでの私の表現は「飛びぬけた天才」ですが、宇佐美選手についてもそう思います。

 彼のゴール前左45度あたりからのシュートは決してパワフルには見えないのですが、極めて誤差の少ない、それでいてムチをしならせるようなシュートで、彼の天才性を垣間見ることができます。

そこに磨きをかければ、まさに釜本邦茂の再来、狙ったら必ず仕留める決定力を持った選手になれそうな気がします。私はぜひそうなって欲しいと痛切に願っています。宇佐美選手については、2015年1月24日の書き込みで「宇佐美貴史選手が本田圭祐選手のように心の強いスーパーな選手に」というタイトルで願望と期待を寄せています。

しかし、宇佐美選手をはじめ、彼らのほとんどは指揮官に「ぜひ使ってみたい」と思わせる強烈なインパクトを残せておらず、スタメンに定着している選手がいない現状です。

そういう彼らに対して南アW杯組は「ギラギラしたものが表に出ないタイプが多い」と、もどかしくしているようです。

このまま彼らは、単なる「早熟世代」で終ってしまうのか、私は決してそうは思っていません。いずれ彼らが代表の中核に何人も名を連ねる時が来ると思っています。ただ、問題はその時期です。この1年、いやこの半年の中でインパクトを指揮官に与えて欲しいのです。」
 

宇佐美選手の課題は明白です。同じブンデスリーガの先輩、原口選手が克服したような、見る者を感動させるほどの運動量と献身的な守備意識。さもなくば柴崎選手のようなフィジカルコンタクトを受けない位置取りと戦術眼。どちらかの武器を身に着けて、所属チームでも代表でも首脳陣を納得させなければなりません。

宇佐美選手の勝負はまだ終わったわけでもなんでもなく、まだまだ道半ばです。
ただ、現時点では「バンディエラ」の称号を柴崎選手に譲らざるを得ないでしょう。両選手の今後、目が離せませんね。

では、また。
 
(本書き込みの中に、過去の書き込みからの再録部分がありますが、当アメーバブログは今月から掲載開始のため、過去の書き込みは読めません。当分の間、このような再録でお楽しみください)