北米時間の2012年8月5日に開幕した「SIGGRAPH 2012」。コンピュータグラフィックスとインタラクティブ技術の国際会議と展示会であるSIGGRAPHには,rmt,一般企業ブースが集められた一般展示セクションの「Exhibition」のほかに,「Emerging Technologies」(通称「E-TECH」)と題された展示セクションが毎年設けられており,さまざまな出展者により次世代技術や最先端の研究成果がいち早く展示形式で披露されるのだ。 そんなE-TECH展示セクションで筆者が気になった最新技術を数回に分けてレポートする。今回はその第1弾をお届けしよう。 「Stuffed Toys Alive! Cuddly Robots From a Fantasy World」by 柧┕I大学 長谷川晶一研究室 ?骨組みがないのに人のほうを向いて動く,柔らかいぬいぐるみ型ロボット? 人のほうを向いて手足を動かすクマのぬいぐるみ 柧┕I大学のによる「Stuffed Toys Alive! Cuddly Robots From a Fantasy World」では,内部に「ボーン」を仕込まず,自由な動きが行えるという「ぬいぐるみ」が展示され,来場者のアクションに対して反応を示すというデモが行われていた。 これまでも,愛玩用のロボットとしてぬいぐるみの内部にボーン仕込み,それを動かすものはあったが,内部に複雑なメカを内蔵させたものは,妙に硬い芯のようなものが存在してしまうので,rmt,抱いたときに違和感を与えてしまう傾向がある(内蔵しているメカが重いという違和感もある)。 そこで,長谷川晶一研究室では,それらのボーンを排除してぬいぐるみを動かすメカニズムを開発したというわけだ。 長谷川晶一研究室が開発したぬいぐるみでは,筋肉に相当する糸が各可動部位に張り巡らされており,それらの糸を体幹部に集約させた小型モーターユニットで巻き取り,各部位を動かすという仕組みになっている。 左が制御マイコン,中央が糸の巻き取り機構と力センサーを一体化したモジュール。右が筋肉に相当する糸を通したぬいぐるみの手足のパーツ ぎゅっと抱きしめても芯まで柔らかいのが大きな特徴だ このぬいぐるみでは,2つの方向からのアプローチでユーザーへインタラクションを実現しているとのこと。 1つは,ユーザーが直接,ぬいぐるみを触ったり,抱きしめたり(力を掛けたり)といったことに対する反応である
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