E3 2012の任天堂ブースで,Warner Bros. Interactive Entertainmentが開発中のWii U用パズルゲーム「」をプレイできたので,早速その感触をお伝えしよう。  本作は,日本で「」や「スーパー スクリブルノーツ」として発売されているシリーズの最新作。「単語を入力して必要なアイテムを出し,問題を解決する」というユニークなシステムが特徴となっているので,実際のプレイを追いながら説明しよう。  なお,試遊したのは英語版だったため,文字入力も当然ながら英語で行っている。  筆者がプレイしたステージは森の中で,ボーイスカウトをはじめとした何人かのキャラクターがいる場所だった。プレイを始めると,最初に「ボーイスカウトがメリットバッジ(優秀なボーイスカウトに贈られるバッジ)を欲しがっている。丸太を加工する道具をあげて」という課題が表示された。  優秀なボーイスカウトなら自分でなんとかしたほうが……とも思ったが,このままではゲームが進まないので助けることにする。丸太を加工するなら斧だろうと思い,文字入力画面を起動すると,Wii U GamePadの画面にキーボードが表示された。「AXE」(斧)と入力してみると,空中に斧が出現。それをボーイスカウトに渡すと,彼は丸太を削ってトーテムポールを作り上げ,最初の課題はクリアとなった。  これ以降も課題は続き,「火を消したい」なら「WATER」,「けがの手当をしたい」なら「BANDAGE」(包帯)といった具合に文字を入力して,必要なアイテムを出して問題を解決していく,DQ10 RMT。「HOT」「COLD」「RED」「PINK」など,温度や色を表す形容詞を合わせて使うこともできるなど,プレイヤーの想像力と語彙力が試されるゲーム性なのだが,ここまではシリーズ作品共通の特徴でもある。本作最大の特徴は,文字を入力したときに出てくるアイテムを作る,クリエイトモードだ。  クリエイトモードでは,まず文字を入力して,基本となるアイテムを呼び出す。今回は「DOG」と入力し,犬を呼び出してみた。呼び出したアイテムは顔や手など,部位ごとに大きさや色を変更できるほか,足の代わりにタイヤを付けるなど,アイテム同士の合成も可能となっている。  また,今回は時間がなくて試せなかったが,設定画面には体力や重さ,火を付けたときのリアクションなど,さまざまな項目があった。これらを使えば,「火で攻撃されてもひるまない,重量級の犬」のようなアイテムが作れるということなのだろう。  作ったアイテムには,呼び出すときに使う名前を付ける必要がある。今回は試遊台の横にいた係の人から勧められるままに,「ハートがついた犬」を作ってしまったので「LOVEDOG」と命名して,先ほどプレイした森のステージで呼びだしてみた。別に丸太が加工できたり火が消せたりするわけではないので,このステージではまったく役に立たないのだが,設定を詰めれば,実際に課題をクリアするために使えるようなものができそうだ。    「スーパー スクリブルノーツ」をプレイした経験がある筆者は,同作で単語を入力しても,データベースにその単語がないためかアイテムが出てこない,というケースに何度か遭遇したので,そういった不満を解消するにはよさそうな機能だと感じた。あまりに設定の自由度が高いと,課題クリアのためにアイテムを自作するという,チート的な使い方もできてしまいそうだが,シリーズ作品の最新作としては正当な進化を遂げているのではないだろうか。  その一方で,Wii Uのタイトルならでは,という特徴が感じられなかったのは気になった。基本的にテレビ画面とWii U GamePadの画面には同じものが表示されていて,違う画面が表示されるのは,前述した文字入力のときぐらいだった,ドラクエ10 RMT。スクリブルノーツでも,文字入力はニンテンドーDSの下画面で行っていたため,プレイ感にはほとんど変化を感じなかったというのが正直なところである。シリーズ初の据え置き機向けタイトルとなるだけに,複数のプレイヤーがアイデアを出し合えるような仕組みがあると面白くなりそうだが,果たして製品版ではどうなるか。今後のブラッシュアップに注目したいところだ。
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