2011年11月10日から13日にかけて,韓国?釜山で行われていたゲームショウ「G-Star 2011」のCJ E&Mブースでは,米Trion WorldsのMMORPG「」がプレイアブル出展されていた。会場の正面ゲートをくぐると,目の前にRiftの巨大なスクリーンが広がり,会場全体で見てもかなりインパクトのある展示がされていた。 Riftは,長らく「」による寡占状態が続いていた欧米のMMORPG市場において,久々に頭角を現したタイトルである。ゲーム自体の完成度の高さもさることながら,リリース後も立て続けにアップデートや販売キャンペーンなど活発な動きを見せており,着実にシェアを伸ばしてきている。ゲームの詳しい内容については,以前に掲載したを見てもらうのが早いと思うが,コアなMMORPGファンに向けて,今でも自信を持ってお勧めできる一本だ。 CJ E&Mによると,2011年3月の正式サービス開始直後からRiftには注目しており,これは「本物」だと確信して契約に至ったという。決め手となったのは,MMORPGとしてのゲームシステムが極端に奇をてらっておらず,その中で「どうやったらWoWを超えられるか」を徹底的に追求している点,つまりTrion Worldsの開発/運営ポリシーだそうだ。 そのポリシーのもとに生み出されたのが,マイキャラの能力を手軽に切り替えられる“ソウルシステム”と,次元の亀裂からモンスターが攻めてくる“リフト”,そしてモンスターとの拠点防衛戦“インベージョン”の3システムである。これらの面白さは,実際にプレイしてみないと伝えにくいのだが,プレイしたことのある人の評価は折り紙つきとなっている。 今回のプレイアブルバージョンでは,さまざまなソウルが登録されたレベル18のキャラクターを使って,リフトやインベージョンのバトルを楽しめるようになっていた。来場客の入りもよく,欧米産でありながら,G-Starの盛り上がりに一役買った出展作であった。 CJ E&Mは,Riftのゲームシステム/バランスを最大級に評価しており,ローカライズ時には一切手を加えない方針だという。ただ,いかにも洋ゲー然としたキャラクターの外見だけは不満なようで,できればフェイスタイプやアバターアイテムの変更を行いたいとのこと。しかし,そういったカルチャライズ要素よりも,テキストの翻訳作業といった“普通に遊ぶ”ための環境整備を優先して,現在ローカライズ作業を進めているという。 韓国でのサービススケジュールに関しては,2012年の上半期にβテスト,2012年内に正式サービス開始を目標としている。ゲームシステム/バランスがよいことから,せっかくの鮮度を落とさないように気をつけており,アバターアイテムなどのカルチャライズに関しては,サービス後のアップデートで対応することにするかもしれない,とのことであった。 毎年G-Starを取材していると,Riftのような欧米のMMORPGのローカライズ出展作をちらほら目にする。韓国支社のあるBlizzard Entertainmentが積極的に出展しているのはもちろんだが,そのほかにも「Age of Conan」や「Warhammer Online」あたりのタイトルも,パブリッシング契約を経てマメに出展されているのだ。韓国の“G-Star”は,家庭用ゲーム機やPCパッケージゲームの出展作はほとんどないものの,オンラインゲームのジャンルに限っては世界中の注目作が集まるという,非常に尖った性伽违博`ムショウといえるだろう。