幸福の測定という本を貸してもらいました。




統計データに基づく分析が記載された本で、哲学・心理学から幸福にアプローチした本とは異なり、幸福への到達に悩む人への理論的な道標になると思います。


この本は、色んな統計データを取ってどういう状態にある人(例えば、未婚、結婚(子供無し)、結婚(子供有り))が幸せと感じているのか、不幸と感じているのか、その時点での満足度はどうなのかという事が色んなパターンでデータ取りされ、分析されています。


また、他国や幸福度ランキング4年連続1位のフィンランドの結果と考察も載っており、今の自分の状態をどうすれば(確率的に)幸福に近づく事ができるのか考える事ができます。


特に興味を引いた内容は


1、独身と既婚で大きく異なる幸福度と不幸度の差

(既婚で有れば、全年齢で幸福と感じている人の割合が不幸と感じている人の割合を大きく上回るが、未婚ではそれらの差は幸福と感じている人がそうでない人をわずかに上回る程度)


2、モノ消費とコト消費

(モノから得られる幸福はかけたお金から得られる価値(幸福)は金額が大きくなるにつれて鈍化する一方、コト(人と会うなど)に費やしたお金から得られる価値(幸福)は金額が大きくなっても大きくなり続けるそうです。

また、モノ消費に関して面白い点は。モノから得られる幸福を高めるには愛着の持てるモノを所有することだそうです)


3、既婚では子供の有無であまり幸福は変わらずむしろ子持ちは子供無し家庭よりも幸福度が下がる

(子供有りの場合は、孫の誕生の段階で幸福度が上がるので、超長期で見た場合には子供がいた方が幸福度が増す結果なので、子供がいる私はそこに期待してます())


411時間を超える労働時間の人は、未婚、既婚、子供有無に関わらず幸福度が下がる。

(11時間を超えて働く事が常態化している人はそこを変えることで幸福度を上げられる可能性が高いという事になります)


5、お金と幸福は線形関係ではない。収入が上がるにつれて幸福度は増しますが、あるところまで行くと収入の伸びに対する幸福の伸びは鈍化します。このことから、ある程度の収入がある人はそれ以上の収入アップのために努力するよりも、労働時間の短縮やコト消費へシフトすることで幸福度を高められることになります。


6、家族、友人、隣人との関係

これらを良好に保つことは幸福度の上昇につながる。人的関係を良好に保つことを金銭的価値に置き換えた場合には結構な額になるので収入ではなく幸福度の向上を目的として行動している人にとっては、行動に対する対価が高いと思われます。


本の中で度々取り上げられるフィンランド。

フィンランド人の労働時間の短さ(8:00-16:00勤務が普通)や課外活動時間の持ち方(仕事の後の運動や人との触れ合い)、自然との触れ合いが幸福度に関係している事も指摘されています。フィンランドへの移住は簡単ではありませんが、どれか一つでも真似することはすぐできます。


社会や会社が変わるのを待っていては、39歳の僕は死んでしまうかもしれないので少しでも真似して幸福度を上げていこうと思います。



以上、ここまで読んで頂きどうもありがとうございました。

少しでもあなたの参考になったり得ることがあれば嬉しいです。