学生時代と社会人になってからの貯蓄を全て散財し、自宅を改装した。

主に生活するスペースは数学の文献で埋め尽くされている部屋。

この部屋は家の中心にあり、大半の自宅面積を占めている。

子供がかくれんぼしても、簡単に見つけられないだろう。



車椅子を押して、自宅へと急ぐ。

以前にも増して雨や風が強くなり、前に進むのもやっとだ。

自宅に着いたが、体格差から男を持ち上げることが出来ないので、身体の正面から抱きかかえて引きずるように自宅内へ運び入れる。



その男を引きずり、両手で抱きかかえてなんとか車椅子に乗せることができた。

荒っぽいやり方をしたせいか男の顔や腕には無数の傷で血が滲んでいた。

あんな所に入っていたあなたが悪いと心の中で呟く。