新世界教育法~子供に理由を訊くのはナンセンス~ | メシアのモノローグ~集え!ワールド・ルネッサンスの光の使徒たち~

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混迷をくり返す世界を救うべく、ひとりでも多くの日本人が現代に生を受けた意味に気づかなければなりません。世界を救うのはあなたの覚醒にかかっているのです……。

 私が小学生の頃のことである。音楽の時間が終わり、音楽室からクラスの教室に戻って間もなくのことだ。担任の女性教師が私の名を呼んだのである。

 

 
 「メシアくん」

 

 
 名を呼ばれた私は『はぁ?』という感じで起立をした。すると先生は鬼の形相で私にこういったのだ。

 

 
 「音楽の時間、Aさん(仮名)の椅子を蹴っ飛ばしたらしいじゃないの!」

 

 
 私にはなんのことかわからなかった。Aさんとはクラスのいじめられっこ(厳密にはいじめられっこではないのだが、話が複雑になるのでこの場ではいじめられっことしておく)の女子生徒で、私が音楽の時間にAさんの席の椅子を蹴飛ばしたという情報が先生の耳に入っていたようなのだ。

 

 
 私にはそんな覚えはなく、完全に勘違いの情報なのだが、普段からAさんを周囲の罵声から死守する姿勢をとっていた先生は、Aさんの椅子を蹴飛ばしていじめをおこなったと噂された私に怒りを爆発させたのだ。      

 

 
 そして先生は私にこう訊いてきた。

 

 
 「メシアくん、なぜそんなことをしたの?」

 

 
 私にはAさんの椅子を蹴飛ばした記憶などなく、なんのことかさっぱりな状態だったので、『え?いや、その……』ともごもごとするしかなかった。               

 

 
 結局、私はなにがなんやらわからないまま怒鳴られ続け、みんなの前で半べそをかきながらAさんに頭を下げて謝ることになってしまった……。

 

 
 このときの私とやや似た立場に置かれた少年を見たことがある。

 

 
 それはNHKの番組で、クラスメートのノートなどを破っていじめをしたことがある中学生くらいの少年に、共演者の大人の男性が『なぜそんなことをしたんだ?』と訊いたのだ。それに対して少年は苦笑いしながら『いやぁ~』と答えた。そんな少年に共演者の男性は声を鋭くして『いやぁ~じゃない』といった。少年のいじめ行為に怒りに駆られたのだと思われる。

 

 
 しかし、この少年を援護するつもりはないが、『なぜそんなことをしたんだ?』といわれても『いやぁ~』としかいいようがないだろう。小学生、中学生の子供たちに理由を理論的に説明しろというのは無理な話である。

 

 
 AくんがBくんのノートを破ったりしていやがらせをおこなった。それにはなんらかの理由があると思うが、その理由をAくんに訊くのはナンセンスである。

 

 
 なぜAくんがそのようなことをしたのか?それを考え、調べ、答えを出すのは大人たちの役目である。

 

 
 たとえAくんがBくんのノートを破ったとしても、必ずしもAくんが悪いわけではない。Bくんがそもそもの原因を作り出している可能性もある。大人たちはAくんに訊くのではなく、それを自分で見つけ出すようにならないといけない。

 

 

 

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