思いのほか難航する生みの親捜し。さすがのお助けキャスターも焦りの色を隠せない。
しかしときは七夕、舞台は伝説の橋。人から人へ熱意が伝わるとき、ひとつの奇跡が起こるのである……。
━━江蘇テレビを訪れたタイディレクターの呼びかけにより、江蘇省の3つのテレビ局が特別番組を放送するなどして協力してくれた。
そしてこれらの出来事が引き金となり、1度は協力を断った孤児院が情報を提供してくれるようになったのだ。
孤児院の職員によるとセイシちゃんが捨てられていたのは江蘇省の野菜市場で、偶然そこを通りかかった男性ふたりがセイシちゃんを孤児院に届けたことが判明した。
むかえた8月14日、江蘇省の新聞がトップニュースとしてこの話題を掲載した。
が━━ハンキャスターの番組には何日たっても両親からの連絡はくることはなかった。ハンキャスターは当時の心境を語る。
「私たちも江蘇省のマスコミも連日にわたって報道しているんですから、ご両親にもニュースは届いているはずです。それなのに連絡をくれないのは、大勢の人に過去を知られたくないのでは?と悲観的になってしまいました」
相変わらず両親から連絡がくる気配はない。焦りをつのらせるハンキャスターたち。
そんなある日、全国ネットの北京の中央テレビがこの話題を耳にし、ハンキャスターたちのもとに取材に訪れたのだ。しかしなにも進展がない状態だったため、ハンキャスターは申しわけない気持ちだったという。
が、それから間もなく、事態は急展開をむかえることになる。