前回:Ⅱ-(3)

「異動かも?」



「異動かな?」と考えながら、

ワードローブビルに歩いていきます。

このビルは、ジャングルクルーズの裏にあり、

歩いて1分もかかりません。

まだ、落ち着かないため、

イップクすることに決めました。

パークの裏側をバックステージと言いますが、

このバックステージに15カ所ほどブレイクエリアという

キャスト専用の休憩所があります。(25年前当時)

アトラクション「カリブの海賊」の近くのブレイクエリアで

ジャングルクルーズの仲間とその件で情報交換も

したかったのです。

しかし、大した情報も得られず、意を決して、

運営部オフィスに行きました。



「チワー!マネージャーいますか?

 マネージャーから呼び出しがありました」



近くの事務キャストが、

「マネージャー、福島さんが来ました」

と大きな声で呼ぶのでオフィス中の

人が振り返ります。

“恥ずかしいな~”

少し私の顔が赤くなります。



マネージャーは、奥の席にいて、

その声で顔をあげました。

そして、キラキラした瞳で、

私に近づいてきます。

「福島さん、A会議室に行きましょう」

“ここで言えないということは、いよいよ異動の話かも”

などと考えながら、会議室に移動します。

会議室は、「□」型会議であれば20名ぐらいは入れる

広さです。

そこに二人で、正面に向かいあい、マネージャーが

質問してきます。

「福島さん、ユニバーシティ・リーダーって知っているか?」

“そんな部署あったかな?”と異動の二文字が私の頭の中にさらに広がります。

To be continue

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