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行政書士試験の勉強用ブログ

出先でも携帯から復習するための全く自分のためだけに書いているブログです。ってか勉強ノートです。


経緯
①上告人Bが、訴外Aに対して真作であるとする絵画を売った。
②Aは、被上告人Cに、真作であるとして転売した。
③結果、じつは贋作でした。
④CはAに錯誤無効を主張し、代金の返還を迫る。
⑤AはBに対して返還を主張する意思がない。
⑥Cが、AB間の取引も錯誤無効であり、代金請求権を代位できると主張。

判示
要素の錯誤による意思表示の無効を第三者が主張することがゆるされる場合

要旨
第三者が表意者に対する債権を保全する必要がある場合において、表意者がその意思表示の要素に関し錯誤のあることを認めているときは、表意者自らは当該意思表示の無効を主張する意思がなくても、右第三者は、右意思表示の無効を主張して、その結果生ずる表意者の債権を代位行使することが許される。

理由
 原審は、訴外Aは、上告人から本件油絵二点を買い受けるに際し、上告人に対しとくにそれが真作に間違いないものかどうかを確めたところ、上告人が真作であることを保証する言動を示したので、これを信じて買い受けたものであるが、右作品はいずれも贋作であつたとの事実を確定し、右事実関係に照らせば、右両者の間の売買契約においては本件油絵がいずれも真作であることを意思表示の要素としたものであつて、Aの意思表示の要素に錯誤があり、右売買契約は要素に錯誤があるものとして無効で、上告人はAに対して売買代金三八万円を返還すべき義務がある旨判断したうえ、さらにすすんで、被上告人においてAの右意思表示の無効を主張し、被上告人のAに対する売買代金返還請求権を保全するため、Aの上告人に対する右売買代金返還請求権を代位行使することを肯認しているのである。
 ところで、意思表示の要素の錯誤については、表意者自身において、その意思表示に瑕疵を認めず、錯誤を理由として意思表示の無効を主張する意思がないときは、原則として、第三者が右意思表示の無効を主張することは許されないものであるが、当該第三者において表意者に対する債権を保全するため必要がある場合において、表意者が意思表示の瑕疵を認めているときは、表意者みずからは当該意思表示の無効を主張する意思がなくても、第三者たる債権者は表意者の意思表示の錯誤による無効を主張することが許されるものと解するのが相当である。
 これを本件についてみるに、被上告人は、Aに対する売買代金返還請求権を保全するため、Aのした意思表示の錯誤による無効を主張し、Aの上告人に対する売買代金返還請求権を代位行使するものであつて、しかも、A自身においてもその意思表示に瑕疵があつたことを認めているのであるから、Aみずからが意思表示の無効を主張する意思を有すると否とにかかわらず、被上告人がAの意思表示の無効を主張することは許されるものというべきである。したがつて、これと同旨の原審の判断は正当であり、論旨は理由がない。