キム・ギドク監督の作品は業が深い、、、


嘆きのピエタで衝撃を受けましたが今回鑑賞した「弓」もかなりの衝撃でした。

ストーリーの印象に残ったポイントを3つに分けて書きました。

1. 少女の持つ禁断のエロス

2. 少女の遅すぎる自我の芽生え

3. 物語の結末




1.
スタートから16歳の少女が中年の男にセクハラされる場面がやけに多くあります。
この女優さんは16歳の、発育しきっていないけれどすでに女としての膨らみやくびれをもつ特有の体つき(←キモくてすみません)をしており、それが妙に生々しいんです。



しかも男が最も悶えるチラリズムが随所に、、、
上手いんですよチラリズムの見せ方が。


老人と海上の船で2人きりで暮らしている設定といいギドク監督も相当な変態だと思いましたね。



2.
そんな少女はある日、同年代の男の子と出会い恋に落ちます。
この男の子がまた青春真っただ中の青臭い男子感を見事に出していました。少し伸びたヒゲがすごーいリアルなんです。

恋の落ち方もハリウッドの夢物語感なく、お互いちょっとずつ距離を縮めるリアルなもので、丁寧に描かれていました。
しかし老人がこれに嫉妬。情けない姿でした。
一方的に2人を引き離し、男の子が渡したプレゼントのウォークマンも壊してしまいます。


それから少女は老人にとても反抗的になります。

これがブログ主には遅すぎる自我の目覚めに思えました。

今までずっと老人と2人で生きてきて、同年代の人間に会うことがなかった少女。

男の子と会ったあと初めて少女は、本来なら幼児期に確立すべに自己を確立したのです。

冒頭では微笑みながら老人のなすがままに体を洗われていた少女は男の子と出会ってからはそれを拒み、恥ずかしがる素振りを見せます。


自分の裸体を見られて恥ずかしいという気持ちは幼児期には生まれるものです。
しかし少女は16歳にしてやっとその感情が芽生えたのでした。

これは人は同年代の他人と関わることによって人間的に成長するのだろうと気づかせてくれます。



3.
後半、男の子はなんとか少女を船から脱出させることを老人に認めさせます。
そして朝早く男の子は少女とボートで出ていくのですが、なんとそのボートに繋がったロープの先ではロープで首を絞めた老人の姿が。


嘆きのピエタを思いだしたのはブログ主だけじゃないはず。


老人は耐えきれず自殺しようとしたんです。

しかしそれに気づいた少女は今まであんなに老人に反抗していたのに急いで老人の元に戻るんですよね。
この場面は結局少女は新しい世界ではなく今までの生活を取った重要なシーンでした。

老人の、少女と生き別れるくらいなら死を選ぶという強い気持ちに心動かされたのか、単に老人に同情して残ってあげたのかそれは分かりません。

ただし実は老人は首が締まる苦しさに耐えきれず、ナイフでロープを切ろうとしていたんですよ。 つまり老人も死を選ぶまではいかなかった。
そして少女が戻ってきた時にナイフを隠すところにとても人間臭さがありました。

ブログ主はこのシーンはあって良かったとおもいます。


そして老人と少女は船上で結婚式を挙げます。
これはずっと老人が持ち続けてきた夢でした。

観客はあの男の子1人。どんな気持ちで見てたんでしょうかね笑

儀式を終えたあと老人と少女は2人でボートで母船から離れます。
初夜の儀式を行うためです。
ああやっぱり老人も性的な目で少女を見てたのかとガッカリするのもつかの間。
老人は最後に中空に矢を放ち、陽日で居眠りしだした少女を置いて海に身投げしたのです。




意味がわからない。


ボートは自然に男の子が待つ母船に戻ってきます。
男の子が迎えようとすると、、、

なんと少女は眠りながら身悶え、喘ぎ始めます。

それは明らかに行為を意味していて、まるで透明人間に犯されているかのように感じているのです。


驚く男の子。そらそうですよね。

そこに老人が最後に放った矢が突如落下してきて少女の股間ギリギリに突き刺さふではありませんか。



そして少女は絶頂に達するのです。


意味がわからない。

全てがおわり起き上がり微笑む少女。

白装束で覆われたその股間は鮮血で染まるのでした。


男の子とボートで外の世界へ出発する少女の後ろで母船は母なる海に沈んでいくのでした。




ラストシーン怒涛の意味不明。


どんだけ矢の滞空時間長いねんと少し笑いました。



老人は海の化身だったのでしょうか。
女は海で育つといった芸術家がいました。

海は老人へと姿を化え少女を育てた。

そして老人は再び海と同化し、少女の操を奪ったのでしょうか。

とてもとても奥が深い映画に思えました。



弓 (2005 韓国)