ポトッ・・ポトポトッ・・・・ポトン
コツン、コツコツ・・・コロン
ハイブリッドバスから降り、
小田代ヶ原への道を歩き出した。
いつもなら
風の通る音と鳥のさえずりだけが聞こえる
静かなミズナラの林の中から
その日は賑やかな音が聞こえてきた。
賑やかな音は、
頭上のミズナラの梢から
クマザサの葉の上に、落ち葉の上に
朽ちかけた倒木の上にと降り注ぎ
ドングリ達が紡ぐメロディーだった。
草紅葉の小田代ヶ原を歩きたくて
今年も行ってきた。
3回目の秋の小田代ヶ原
今年こそ、
オレンジや赤が交じる景色に出逢いたいと
事前に日光自然博物館に問い合わせた。
「今度の3連休あたりに赤が出て
見頃になると思いますよ。」
と親切な回答。
今年の色の出具合を訪ねると、
丁寧に対応して下さっている職員が
少々言葉を濁す・・・・
「小田代ヶ原は8月に二度2℃まで下がり
霜が降ったんですよ・・・・。」
ならば、葉傷みと黒ずみには
目をつぶるしかないか・・・・・
3連休の中日は避けて、最終日の9/25に
行くことに決めた!
小田代の東側は、ホザキシモツケが多く、
オレンジや赤に美しく色づく。
写真でたびたび目にする赤までに
染まってはいなかったが
一番美しい景色に今回出逢えたように思う。
湿原の中に凜と佇む「小田代ヶ原の貴婦人」の
白い樹肌が草紅葉に映える。
小田代ヶ原の西側エリアは、
ヤマアワ、エゾヌカボ、ノガリヤスなどの
イネ科の植物が多く、
白や薄紫、ピンクと淡く色づく。
所々に黄金色に染まったホザキが入り交じり
濃淡の縞模様を描いている。
ニッコウアザミの立ち枯れは雄々しくて、
これだけで絵になる♫
本当は、葉も深紅に色づくのだが・・・・
8月の降霜のためか落葉してしまい、
葉が残っていないものが多かった・・・
秋の湿原で目を楽しませてくれる白ヨメナ
白く小さく楚々と咲く姿は愛くるしい♫
サラシナショウマ(キミキフガ)の残り花
西側エリアに歩を進め、振り返ると、
先ほど写真に大きく写り込んだ白樺が
遠くに小さく見える。
*
小田代ヶ原から戦場ヶ原に抜ける途中で、
美しく色づいた樹が目に飛び込んできた♫
ところが、目線を上に移動させると・・・
なんと樹の天辺では、
形が異なる葉が黄色に移ろい初めたばかり!
楓の木らしい。
楓に絡みついた蔓植物が紅葉していたのだ。
*
戦場ヶ原への分岐点近くの
泉門池(いずみやどいけ)で小休憩
渾々と湧き出す清らかな水が沼池となり
水苔や水草、湿性植物、倒木達を映して
神秘的な景色を生んでいる。
私の大好きなスポット♥
この枯損木の右奥に
コポコポと水の湧き出す口がある。
池端で、野バラの実が色づき始めていた。
白い花なのか、ピンクの花なのか、
花の時期に来合わせたことはまだない・・・
池の周辺はミズナラやズミの樹が多い
ミズナラが黄金色に色づくのも間近だろう・・・
ズミ(左) と ミズナラ(右)
6月のズミの花は、白く小さく可憐
真っ赤な実がたわわに生る。
どんな味なのかと以前から気になっていた。
一つ、口に運ぶ・・・・
酸っぱくて渋い!!
なるほど、「酸実」と書いて、
ズミと読ませるわけだと納得!!
完熟するとやや甘くなり、
果実酒やジャムに出来るそうだ。
*
戦場ヶ原の草紅葉
戦場ヶ原もホザキシモツケの分布は広い。
こちらのホザキの方が赤く色づいていた。
(↑↓)
深紅に染まった花殻と葉の美しいこと♫
ハクサンフウロやレンゲツツジも深い赤に。
湯川沿いに密生する
ホザキシモツケの紅葉は始まったばかり
湯川で鴨に出逢うのも楽しみの一つ
奥日光の紅葉は、
9月中旬から下旬の草紅葉に始まる。
本格的な樹々の紅葉はこれから。
いよいよ市街地から奥日光へ続く渋滞が始まる!
住民にとって憂鬱な時期でもあるか・・・