誰が種を蒔いたのでもなく、植えたのでもない・・・・
なのに、計算されたような美しさでサマーソングを奏でる花々
野薊の濃紅、小鬼百合の赤橙、巴草の蒲公英色、夏草たちの草緑・・・
時折、草面を優しくなでるように吹き抜ける風が
草花を右へ左へとゆるやかに揺り動かし、
湿原の花園にリズムとハーモニーを生み出す
自然創造の主が造り給もうたこの美しき花園の協演を指揮するは、
涼やかな夏の風
コオニユリとトモエソウ
遊歩道沿いの一角に描かれていた美しい光景(↑)
あまりの美しさに息をのみ、酔いしれ、夢中でシャッターを切り続けたのは、
小田代が原(おだしろがはら)でのことでした。
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日光に住みながら、その美しさを度々耳や目にしながら、
小田代が原へ踏み入るのは、初めてのことでした。
地元だからこそ、逆になかなかチャンスがやってこないのですよねぇ。
奥日光の紅葉も同じです。あの渋滞ぶりを見ると、気持ちがそがれる。
ここに住んでいるのだから、いつでも行けるという思いもある。
そう思いながら○十年。
これでは一生見ずに終わることになるかしら・・・・。
前記事で紹介した戦場ヶ原へは、
遠足引率やらクリーンキャンペーン参加やらで
数えきれないほど行っているのですが・・・・。
標高1400mの小田代が原を一周ぐるっと巡る遊歩道があります。(↑参照)
そして、その遊歩道のさらに外側をぐるりと一周、電気柵が設置されています。
特にシカという害獣から、植物の宝庫を守るために!
そうなんです。植物を守る方法は、これシカしかないんです!
上のマップの現在地から、時計回りに3分の2周して、赤沼Pに戻りました。
↑が、戦場ヶ原から小田代が原へ続く泉門池(いずみやど)側のゲート
↓は、バスターミナル側のゲート付近の電気柵
自家用車で小田代が原に入ることはできません。
赤沼Pから低公害車のハイブリッドバスに乗るか、徒歩にするかの二択です!
泉門池のゲートから入ってしばらくは、遊歩道沿いに
楢やブナ、モミなどの樹木と、下草にはミヤコザサが続きます。
笹の中に隠れるように時々姿を見せるのは、
キオンとウバユリ
ツワブキ クガイソウ
森が途切れる頃、ます姿を見せたのはイブキトラノオやホザキシモツケ
イブキトラノオ
ホザキシモツケ
ほら、通り抜けてきた森があちらに見えますね。
森を抜け、小田代が原に入ってきました♪
背後は男体山、そして白樺林、その前に広がるのは、
ピンクのホザキシモツケと黄色のトモエソウの帯(↓)
肉眼で見たように美しく撮れてはいないけれど、
それぞれが帯状に拡がり、えも言われぬ美しさ♪
このポイントでの美しさは、まだまだ序の口だったんです
次々目に飛び込んでくる、この世のものとは思えない美しさに、ただただ感動・・・
ノアザミ、コオニユリ、トモエソウ
ノアザミ、イブキトラノオ(白)、ホザキシモツケ(ピンク)
7月から8月上旬の小田代が原を殊更に美しく彩るのは、ノアザミの群落
手前、中央、上部にノアザミが咲き乱れている様子が判るでしょうか?
あまりにも有名な、「小田代が原の貴婦人」
湿原の中に、1本だけ凛と佇む美しい白樺
その美しさに魅了された人々は、敬意をこめてこの白樺を「貴婦人」と呼びます。
今回小田代が原に行きたかったのは、
ノアザミが群れ咲く風景と貴婦人に会いたかったから
会えました。これが、小田代が原の貴婦人です。
貴婦人は、遊歩道からは遠く離れたところに在るので、
こうして画像の中から切り取るか、望遠レンズで捉えなければ、
はっきりと見ることが出来ません。
だからこそ、人を寄せ付けない神々しさ、凛とした佇まいを感じるのかもしれませんね。
貴婦人とノアザミにだけ気を取られていたら、見落とすところでした。
(↑↓) 湿原の豊かな植生は、
緑のグラデーションだけでモザイク模様を演出していました。
風が渡る時の葉の翻りが生み出す、草波のうねりを想像してください。
言葉では言い表しがたい美しさです♪
今は緑の濃淡のモザイクが、1か月半から2か月の後には、
草紅葉となって、茶・赤・黄etcのモザイク模様へと変化していくのです。
その季節に、また是非行ってみたい!!
ノアザミ ニッコウアザミ
ニッコウアザミの花期は、ノアザミよりも遅いようです。
やっと開花が始まったばかりの株ばかりを目にしました。
その他の湿原周辺の花々
コバギボウシ ソバナ
ミヤマオダマキ
チダケサシ ヒヨドリバナ
クガイソウとヒョウモンチョウ
赤沼Pに咲くニッコウアザミは、結構咲き進んでいました。