その人は言った。 「白秋という言葉を聞くと、日光のイメージが重なる。」と。



中国の五行説では、秋に色を当てはめると白。

だから「白秋」とは、秋そのものの意味。

高校時代の国語の時間に教わったそうだ。 だが、その人は白秋と言う言葉を聞くと、

なぜか、一面のススキが秋風に波打つ戦場ヶ原(奥日光にある)の光景を想いうかべるという。

いつの日か、日光を訪問し、その光景を是非見てみたい♬ と言っていた。




その日が来た時、お会いできるものと思っていた。戦場ヶ原へ案内したいと思っていた。




だが、思いがけず、会える日が早くやってきた。

その人とは、広島在住のしゅずさん。ブログを開設して間もない頃からのお付き合い。

年の開きは大きいけれど、花、自然、文学、料理、産直・・・・共通の話題が多い。

職場の一年間で一番多忙な時期、オーバーワーク気味にも関わらず、

日曜日(11/9)には、yamaakoさんのランチをご一緒し、

月曜日(11/10)には、休暇を取って瀬戸内海の島々を案内してくださった。

申し訳ない気持ちと、会えてよかったという気持ちが綯交ぜになっている。ただただ、感謝!




日曜日、岩国駅で待ち合わせ。互いが確認できると、しゅずさんが、さっそくわたしと背比べ。

その時は、ピンと来なかったけれど、後から分かった!

コメント交換で、身長がさほど違わないことを知り、会ったら背比べしましょうって言ってたんだっけ。

そうだ、そうだった! なんてお茶目な人なんだろう。




日曜ランチが終わって広島へと向かう電車の中で、車窓に流れる景色を説明付きで楽しむ♬

宮島厳島神社あの大鳥居が、連なる建物の切れ間に何回か見えた。

翌日の約束を確認しあい、「また明日。」と一旦お別れ。








前日と打って変わって快晴の広島。 朝日を浴びる街の風景をホテルの部屋から見下ろす。

広島、大きな街。あちこちで工事中。街はさらに大きく変貌するのだろう。






会うことが決まってから、しゅずさんは様々なアテンダント案を練ってくれていた。

原爆ドームも宮島も行ったことがあるので、

広島らしく、且つ、瀬戸内地方らしい景色を楽しめるコースを提案してくれた。

造船業で栄えてきた呉市と、瀬戸内の島々をドライブするコース、とびしま海道巡り








車窓には、瀬戸内の海と重なり合う島々の景色がどこまでも続く。

島なのだと言われなければ、対岸のようにしかみえない。

海なし県の住民にとっては、高揚感がどんどん高まる景色。

呉市に近づくにしたがい、海沿いにはたくさんのクレーンが見えてきた。造船所だ。

呉市臨海の「大和ミュージアム」と「てつのくじら館」へ。





戦艦大和の1/10模型が展示され、呉市の海事歴史が学べる
「大和ミュージアム ~呉市海路歴史資料館~」

潜水艦は掃海を展示し海上自衛隊の歴史や活動が学べる
「てつのくじら館 ~海上自衛隊呉資料館~」 

いかにも世界一の造船国としての基盤となってきた呉市らしい資料館。

両方とも見学するには時間が足りない。

大和ミュージアムは、外周りだけをぐるりと一周。



 左前方に広がる板張りの部分は、

戦艦大和の前甲板の左半分を実寸大で再現しているそうだ。  





再現された甲板の向こうに見えるのは、造船所のクレーンと、潜水艦用の桟橋と。

想像したこともない光景が目の前に広がり、新鮮な気持ちと

華々しい歴史の裏には、戦争という暗部があり、

平和の大切さを深く思わずにはいられない複雑な気持ちとが、去来する。




複雑な気持ちでいるときに、思わず頬が緩むものに出逢った。 

可愛い4匹のワンちゃん、ブロンズ製。 「犬も歩けば・・・ らぶ・やまと 薮内佐斗司作」

   


犬小屋から出てきたワンちゃんが、芝生をトコトコ散歩して、






       また、犬小屋へ戻っていく。

コマ撮りのように、芝生の上に置かれた姿が可愛い♬         




  「大和ミュージアム」の隣の敷地には、潜水艦が二艦

    小さくて色使いが楽しい「しんかい」と、

  



長く大きく重々しく、まるでくじらが横たわったような潜水艦「あきしお」

  




   この潜水艦の下をくぐったところに、


  

  
 
 「てつのくじら館」の入り口があった。

 

               鉄のくじらのお腹に吸い込まれていく、きーこさん・まつりんごさん・しゅずさん





1Fは、海上自衛隊の歴史を展示(画像なし)



2Fは、掃海艇の活躍(掃海 つまり、今なお海底に眠る機雷を排除する活動)を展示

      機雷の形は様々



 










3Fは、潜水艦の活躍を展示   このフロアから潜水艦「あきしお」の艦内に入ることができる。



                         潜水艦「あきしお」の断面模型



      乗組員のプライベート空間は、

                         三段ベッドとロッカーのみ、たったこれだけ・・・






食事用のテーブルとベンチ、ベンチの中は、ジャガイモと玉ねぎをストック。







朝、昼、夕、夜・・・・・6時間ごとに提供される一日四食のサンプル。

すごいボリューム!

一日四回の食事をするわけではなく、交代で24時間勤務体制のためとういうことらしい。

深海には光が届かないため、昼と夜の区別ができるよう

12時間ずつ蛍光色と赤色の照明で、昼夜の区別をしているとのこと。

赤色の光の中での食事・・・・・美味しそうには見えない。













歴史の明部と暗部、そして平和を思わずにはいられない見学の後は、いよいよ瀬戸内ドライブ。

下蒲刈島から蒲刈島へと名ドライバーの案内で海沿いを走る。





二日前に空の雲の切れ目から見下ろした瀬戸内の島々を、今度は車で走る。

島から島へと繋ぐのは、海にかけれた大橋。

川を渡るように海を渡る、不思議な感覚。島ではなく陸地を走っているような感覚になる。






点在する島々の間に、たゆたうと穏やかに広がる海の青、

青を背景に、すっくと凛々しく立ち上がる大橋の白

道沿いにすくすくと豊かに生い茂る深い緑、

深い緑の斜面には、つぶらなみかんが灯をともすかのように橙色にぶら下がる。

瀬戸内の海、ああ、なんて美しくのどかな光景なんだろう。








美しい海の景色、箱庭のような島景色、そして風運ぶ潮の香りを満喫しながら

                             「かつら亭」にて海の幸の食事を

   店内の生簀には、たくさんの魚が泳ぐ。




                                   海 鮮 丼




お腹は満たされ、美しい景色に心は和み、広島への帰路は幸せな気持ちでまどろむしば~じゅ

失敗したな! もっともっとしゅざさんとお話したかった!



まどろみから覚めたときは、広島の駅は目の前。

駅周辺が工事中のため、駐車できるところもなく慌ただしい別れとなってしまったことが心残り。

しゅずさん、素敵なアテンドでした。ありがとう♪

今度は、白秋の日光でね。