「カラトテカ・トリローバ」
園芸店の苗ボックスのプレートにはそう書いてありました。
5年前のことでした。売れ残りのピンクと白の苗がそれぞれ一つずつ。
ジキタリスに似て、レーマニアにも似て・・・・・
初めて見るその花に一目惚れ (ただの珍しものがり屋なんですが・・・・)
プレートの名前もしっかり頭に畳み込んで、お持ち帰り~♪
以来、この苗が店頭に並んだのを見たことがないんです。
どこ産なのか、特徴は何なのか、「カラトテカ・トリローバ」で検索すると、いくつかヒット!
でも、どの記事にも「詳細は不明」の文字があるのみ・・・・・・おかしいなぁ?
見た目には、ゴマ科の仲間でしょう。果実のサヤもゴマそっくり。
鞘の中の種は、胡麻そのもの!
毎年、採種して繋いできました、正体不明のまま。だって、やっぱり好きなんだもの~♪
一日中雨の今日、庭遊びも出来ず、PCとにらめっこ。
なにかこの子に関して、新たな情報あるかと、今年初のチャレンジ!
見つけましたよ!!
Ceratotheca -triloba が、学名。 こりゃぁ、「カラトテカ」とは、読めないでしょ!
セラトセカ・トリローバか、セラトテカ・トリローバ。あるいはケラトセ(テ)カ・トリローバですよね。
セラトテカ・トリローバで、ヒットしました。
英名は、アフリカンフォックスグローブ、或いは、ワイルドフォックスグローブというそうです。
なるほど、ジキタリスに似ているわけだ!
(ジキタリスは独名、フォックスグローブは英名です。)
南アフリカ原産のゴマ科の植物
便秘解消のように、スッキリして気分爽快!
これ、蕾
昔、こんなデザインのロングスカートが流行りましたね~。
全体が繊毛に覆われて、とてもソフトな感じ、フランネルみたいね~
この蕾を下から覗くと、面白いよ~。
花びらを折り目正しくコンパクトに、畳み込んでいるようですね。
ブルドッグの口元のよう、見えるのだけど・・・・・・・・。
下の部分のストライプがね、開くと舌のようにぶら下がるんです。 ほらね。
お行儀の良かった子が、急にだらしなくなったみたい・・・・・・かな?
ピンクのストライプは、くっきりはっきりしているけれど・・・・・
白にもストライプがあるんですよ。後でお見せしますね。
横向き顔も見てやって。
ピンクの花の茎はボルドー、白花の茎はライトグリーン。茎にも繊毛がびっしりです。 花茎が上がる前の蕾と葉ですよ。
葉をこすると、胡麻の香が混じったような青臭いニオイがします。
俯いた花の中はどうなっているの?
しゃがんで必死に覗くのだけど・・・・・見えない。もちろん写らない!
花を4つ摘みました。覗きました。
少しは、分かったけど・・・・・・底までは見えないなぁ。白はどうだ?
ダメだ、見えない! でも、白にもストライプがあるのが、はっきり見えました。
こうなったら、またまた、やるしかありません。皆さんも期待しているでしょ、解体珍書。
やりましたとも~。
正面からと横向きと。
白の舌は外側に少し丸まり、ピンクの方は幅広です。
さあて、メスを・・・・・じゃなかった、ハサミを右手に握り・・・・・カット!
立てに切り開き・・・・・・
見えた見えた! やっと見えた! そこの底が見えた!
ふうん、こんなになっているんだね。雄しべが4本へばりついています。
ストライプは底の中心から、下唇だけに伸びていたんだね。
外側は繊毛びっしり、中はツルツル。中に繊毛が生えていたら、虫が、入れないものね。
マルハナバチが頻繁に出入りしていましたよ。
毛むくじゃらのマルハナバチもつるんと中に入っていきました~♪
もう一度、ハサミを握って。今度は横にカット!
下唇がない方、上の部分の画像です。
あら、すごい!
雄しべが雌しべに、ぴったりと張り付くようにしているよ! ラブラブね~♪♪
虫がいなくても、受粉成功しそうだね。
虫に入ってもらうのは、念のためと言うことですか?
とてもとても、慎重派なんですね。
今度は、萼をむしり取りました。ハサミの出番なし!
果実の鞘となる子房が現れました。
この鞘が大きくなったら、またお見せしましょう。鬼の角をもっているのよ~。
そうそう、それから、春の種のリストに入れますね。
皆さんの庭でも、咲かせてくださいね。