庭でシャッターを切りながら、ふと思い出した、ほろ苦い幼き日の思い出があります。
それは、3,4歳の頃であったろうと思います。
ぽかぽかとお日様が気持ち良い、春の日のことでした。
近所の幼なじみ、キョウコちゃんの家の縁側でおままごとをしていたのです。
道ばたで採ってきた草や花でお料理。
おもちゃの包丁でトントントン、スプーンでぐるぐるかき混ぜ、お椀に盛って・・・・・・
夢中でお料理を作っているうちに
「ちょっと おはなが たりないね~。また、とってこようか。」
そしたら、キョウコちゃんが、「そこのおはな とっても いいよ。」って、花壇を指さしました。
「おにわの はなを とったら しかられるでしょう。」
「だいじょうぶだよ。」
ぷつんと1本採って、渡してくれました。葡萄の房のような青紫のお花です。
にこっと笑ったちょうどその時、「こらあ! 庭の花をだまってとって!」と、
キョウコちゃんのおばあちゃんの怒った声。
「だって、キョウコちゃんが・・・・・・・。私は、とってな・・・・・・・。」
「嘘をつくんじゃないの。嘘をつくと、あんたのおばあちゃんに言うからね。」
悲しくて、悲しくて・・・・・・・わんわん泣いて、帰りました。
葡萄の房のような青紫の花。そう、ムスカリです。
ギリシャ語のムスク(麝香)が語源の、でも、ムスクの香りなんて感じたことな~い。
香りを嗅ごうとはなにはなを近づけると、青い可愛いベルがはなをくすぐり、ムスカユイだけですね。
今、庭で、5種類のムスカリが最盛期を迎えようとしています。 ムスカリ・ラティフォリウム
ムスカリ・レディーブルー
ムスカリ・アズレウム・アルバ
ムスカリ・プルモサム
このプルモサは、まだ蕾の状態なのですが、開花すると実に面白! 変わり種です!
モサモサとモッズ・ヘアのように咲くのです。ヒヤシンスの満開状態に似ているかしら。 ムスカリ・アルメニアクム
アルメニアクムは、ムスカリの代名詞みたいに、どこでも見かけますね。
庭から逃げ出して、川原や土手の上に咲いているのも見かけます。
葡萄のような花、英名は、 Grape Hyacinth です。
THE SONG OF
THE POLYANTHUS AND GRAPE HYACINTH FAIRIES
"How do you do, Grape Hyacinth?
How do you do."
"Pleased to see you, Polyanthus,
pleased to see you,
with your stalk so straight
and your colours so gay."
"Thank you neighbour!
I've heard good news today."
"What is the news, Polyanthus?
What have you heard?"
"News of the joy of Spring,
In the song of a bird!"
"Yes, Polyanthus, yes,
I heard it too;
That's why I'm here,
with my bells in
spires of blue."
「初めまして、ムスカリさん、どうぞよろしくね。」
「君に会えて嬉しいな、ポリアンサスさん、ほんとに会えて嬉しいよ。
きみの茎はのびのびまっすぐで、色も鮮やかきれいだね。」
「まあ、ありがとう。私ね、今日良い知らせを聞いたのよ。」
「ポリアンサスさん、その知らせって、なあに。どんなことを聞いたのかな。」
「春の喜びの知らせよ。鳥の鳴き声で聞いたわ。」
「そうだよ、ポリアンサスさん、その通り。僕も聞いたよ。
だから、僕はここにいるんだよ。青いとんがりに釣り鐘を付けてね。」
最後のムスカリ、アルメニアクムは、クリスマスローズの陰で咲いています。 白の奥にチラリと見える
ピンクの花の陰で咲いてます。
このシングルの白のクリスマスローズには、現在たった一株で、50輪以上の花を付けています。
まだまだ蕾があがっているので、最終的には、何輪になるのでしょう?
花の様子、なにか、少々変だと気がつきましたか?
ズームしますよ
ほら、これなら分かる? そうです、白い萼の中の果実がないのです。(右には果実あり。)
株を弱らせないために、果実を除去しています。
俯いて咲く花なので、下から覗いて見なければ気付かない!
こうして、色が褪せるまで、花姿を楽しんでいます。