「玄関先にね、お花を置いておいたわよ。」

昨日の午後、近所の懇意にしている方から℡がありました。

夜、自宅に戻り、玄関先に置かれた新聞紙をそっと解いてみると・・・・・・・

中から出てきたのは、パステルカラー4色のストック。





一足早い春を求めて、房総に行ってこられたとのこと。

毎日、私が自宅に戻るのが遅いことを知っていて、お花が大好きなことも知っていて、

夜の寒さから花を保護するように、何枚も重ねた新聞紙で包んでおいてくれた心遣いが、

心に、じ~んわり浸みました。




一緒に置かれていた、直売所のレジ袋には、青々として瑞々しい菜花が二束。


 


この新鮮さは、スーパーで求めるパック詰めの菜花とは雲泥の差。

さっそく、夕飯で。

湯がいた菜花と韓国海苔、輪切りにしたチクワを 柚子わさびとめんつゆであえました。

茎の甘みと菜花特有の春の香が凝縮されて・・・・・・、とても美味しく頂きました。





今朝、階下に降りると、玄関ホールに広がるストックの甘い香りに包まれ・・・・・とっても良い気分。

もっともっと、パウダリーな甘い香りを体に取り入れたくて、


        顔を寄せると・・・・・・? あれ?



スパイシーな香りも感じます。この香り、何だろう? 知っている香りだけど・・・・・・?

そうだ、クローブ、丁子の香りだわ~。

今までパウダリーな甘い香にしか気付いていなかったような・・・・・・新しい発見がちょっと嬉しいな!





ストックの語源は、何かをたくさん貯め込んでいるというわけではなさそうですね。

スキーのストック。あれと一緒です。ストックstockには、木の幹や、植物の茎の意味があるのです。

まっすぐ伸びてしっかりした茎の先に、花をつけることが語源のようです。

クシュクシュに開いた八重の花の先には、蕾が控えて、





次々に花を咲かせながら、茎もさらに伸ばしていくわよね。

若き日に華道を習っていた頃、冬から春の定番の花材だったストック。

お師匠さんに、教わったこと・・・・・ストックを生けるときは、蕾を摘み取りなさい。

花を咲かせながら茎を伸ばすので、作品のバランスがすぐに崩れるからということでした。








和のスタイルに生けることは滅多になくなった昨今は、この教えを守っていませんが・・・・・。

練習の後、摘み取った蕾を持ち帰り、小さな空き瓶にそっと挿して楽しんだっけ。




ストックにまつわるお話、なにかないかなぁ?  探してみました。 ギリシャ神話には登場しませんね。

スコットランドに伝わる悲恋物語を見つけましたよ。



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スコットランドの美しいお姫様が、名もない青年と恋に落ち・・・・・ところがお姫様は政略結婚で

愛してもない王子の所に嫁ぐことになりました。御姫様は、青年と駆け落ちすることを決意します。

駆け落ちすると決めた夜、青年は吟遊詩人に変装し、お姫様の部屋がある塔の下へ行きました。

青年が「迎えに来た。」と、合図を送ると、お姫様はストックの花を投げ落とし、

「あなたと一緒に行きます。」の気持ちを伝えました。

そして、縄ばしごで青年の元へと、ゆっくりおり始めました。

ところが、ドレスの裾がはしごに絡み、足を踏み外して落下、命を落としてしまいました。

青年は最愛の人を失ってしまった悲しみから、ストックの花を帽子に挿し、

吟遊詩人として、各国を彷徨の旅をしたということです



この物語が元になり、ストックの花言葉は、「永遠の愛」「愛の絆」

亡き恋人を生涯思い続けた青年にちなんでのことですね。



また、古き時代のフランスでは、意中の人に出会うと「浮気はしない」の意を込めて、

帽子にストックの花を挿して歩いたそうです。


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今朝、車のフロントガラスとボンネットで「霜の華」を発見。


    




この前のデッキに現れた「霜の華」の方が美しかったと思いませんか。