10月には色づき始めたヘンリーヅタ。庭の紅葉の中でも早いほうでした。
だから当然、落葉も早くて・・・・・・・・・。
ヘンリーヅタはとても強健。1年間に5~6mも蔓を伸ばす旺盛な成長で、
切り詰めないことには、庭中を占領しかねないほどです。
暴れ放題の蔓がむき出しになるのを待ち、カットしてリース台にして遊びました。
昨日、庭をチェックしながら歩いていると・・・・・・おや?
葉が残っているではありませんか。ほら。
もう枯葉になってはいるものの、北風に揺すられても落ちずに、カサコソと音を立てて・・・・・。
(受験生がお守りにしたくなるかな・・・・・?)
ヘンリーヅタに最後の一葉が・・・・・・。
頭の中でフラッシュが閃めきました。何だか懐かしい思いに捕らわれました。そう、中学生の頃の。
O.ヘンリーの『最後の一葉』を思い出したのです。O.ヘンリーはあの頃の愛読書の一つでした。
彼の短編集を読むといつも暖かい思いに満たされました。
特に大好きだったのは『賢者の贈り物』 今でもクリスマス・シーズンになると、
貧困の中にあっても、互いに思い遣る優しい夫婦の暖かい物語を必ず思い出します。
『最後の一葉』は、暖かさと共に一抹の淋しさ・悲しさが残るお話でしたね。
知っている方も多いことでしょう。
ウィキペディアより、あらすじを転載してみましょうか。
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ワシントン・スクエアの西側にある、芸術家が集まる古びたアパートに暮らす画家のジョンジー(ジョアンナ)と同じく画家のスー。貧しいながら暖かい生活を送っていた中、ある日ジョンジーは重い肺炎を患ってしまう。スーは、医者から「ジョンジーは生きる気力を失っている。このままでは彼女が助かる可能性は十のうち一」と告げられる。心身ともに疲れ切り、人生に半ば投げやりになっていたジョンジーは、窓の外に見える煉瓦の壁を這う、枯れかけた蔦の葉[1]を数え、「あの葉がすべて落ちたら、自分も死ぬ」とスーに言い出すようになる。
彼女たちの階下に住む老画家のベアマンは、口ではいつか傑作を描いてみせると豪語しつつも久しく絵筆を握らず、酒を飲んでは他人を嘲笑う日々を過ごしていた。ジョンジーが「葉が落ちたら死ぬ」と思い込んでいることを伝え聞いたベアマンは「馬鹿げてる」と罵った。
その夜、一晩中激しい風雨が吹き荒れ、朝には蔦の葉は最後の一枚になっていた。その次の夜にも激しい風雨が吹きつけるが、しかし翌朝になっても最後の一枚となった葉が壁にとどまっているのを見て、ジョンジーは自分の思いを改め、生きる気力を取り戻す。
最後に残った葉はベアマンが嵐の中、煉瓦の壁に絵筆で描いたものだった。ジョンジーは奇跡的に全快を果たすが、ベアマンは肺炎になり、最後の一葉を描いた2日後に亡くなる。真相を悟ったスーは物語の締めくくりで、あの最後の一葉こそ、ベアマンがいつか描いてみせると言い続けていた傑作であったのだと評する。
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若い命を救うために自分の命を差しだし、
同時に本物の芸術のために命をかけた老画家ベアマンの人生の終わり方に
中学生だった女の子は、最高の人間愛を感じたのでした。
コテージの軒下に、まだ紅葉が見られるのです。
薔薇、ディスタントドラムスの紅葉、深いブロンズ色に。
花は蕾のままフリーズドライになりました。 10月のディスタントドラムス。
葉は深い緑色でした。花も綺麗に咲いていました。