昨日紹介した、じゃじゃ馬ことポールズ・ヒマヤラン・ムスクは、
とても樹勢が強く、自由奔放に伸びていく一季咲きの薔薇です。
桜のような薄ピンクの小さめの八重咲きが、房になって咲く可愛らしい薔薇です。
花だけを見ていると、じゃじゃ馬であることなんか全く感じさせない。
この薔薇の思い出を一つお話しましょう。
この写真を見てください。

これは一昨年の七月に、とあるバラ園で撮ったものです。
大きな木に、白い花が咲き始めているのがわかりますね。
これが、ポールズ・ヒマヤラン・ムスクなんです。
見上げるほど大きな大きな梅の木に這い登り、下垂れるように咲いた薔薇。
圧巻でした。
ムスクは、自力で枝に棘を絡めながら、こんなに高くまで這い登り、
下垂れ咲くことができるんですね。
もちろん、春に花を咲かせたであろう梅の木は、
葉を茂らせ、青梅もつけていました。
見事な共生でした。

こちらの写真も同じバラ園撮影です。
柱と柱にロープを渡し、そこに、ランブリングレクターを絡めた花綱。
半円を描くように造られた花綱は、あまりにも長くて、写真の中に納めきれなかった。
花も咲き始めて間もない頃でした。
満開になったら、どんなにか美しかったことでしょう。
来年の見頃のときに絶対来る。片道300㎞を運転してでも。
でも、この願いはもう決して叶う事がありません。
そのバラ園とは、福島県双葉町の双葉バラ園。
もうお分かりですね。
3・11の震災以後、閉園を余儀なくされたのです。
この園の園主の方は、山林の中に自然と融合するヨーロッパ風のバラ園を
実に50年かけて作り上げたのだそうです。
その尽力・ご苦労はいかばかりであったかと。
人生のすべてであったろうバラ園を失う悲しみは、たとえようもないことでしょう。
このバラ園のすばらしい画像は、まだ双葉バラ園のホームページに、
残っていると思います。ご覧になってください。
さて、我がコテージガーデンから、驚きの一枚を

今朝撮った写真です。
朝の最低温度が、氷点下の日が続いていたにもかかわらず、
年越しの薔薇が咲こうとしているのですよ~。
アイズ・フォー・ユー
強健な薔薇ということで、昨春取り寄せました。
厳冬でも、この薔薇は葉を落とす気がないらしく、
暮れには蕾まで持ち上げてきたのです。数個もね。
ちょっと面白いな、様子を見ようかと放任。
やがて蕾は茶色に変色。
やっぱりねーと思っていたのです。
まさか咲くとは!