直木賞作家・林真里子女史。
小学館文庫『amego』から。
今"負けまい"と、奈央子は足を踏ん張っている。
会社なんか辞めてやると、ずうっと思っていた。
今でもそう思っていることに変わりない。
しかしそれは自分が心も体も健康な時にすることだ。
今のように心が落ち込んでいる時に、負のカードを拾うことはなかった。
今は何か悪い力が働いているような気がする。
奈央子を投げやりにするために、今まできちんと歩いてきた道からはずれさせるために、邪悪な力が動いている。
その罠にはまってたまるものかと奈央子は身構える。
決して克己心とかいうものでなく、
この頃の奈央子はいつもの時間に起き、いつもよりも早く眠る。
三日に一度はジムに行き、インターネットで海外の新聞のヘッドラインを読む。
お酒の量も変わらず、外食はむしろ減ったぐらいだ。
つらいことがあった時は、日常の持つ大きな力でうち負かそう、
というのが奈央子のやり方である。
そう大上段に構えるわけではないが、
自分の感情にずぶずぶ溺れてだらしなく過ごすのが嫌なのだ。
若い時はさんざんやった。
男と別れたからといっては昼過ぎまでベッドの中で泣き、
彼と喧嘩したからといって、友人たちと強い酒を朝まで飲んだりしたものだ。
三十五歳の奈央子は、もはや自分の哀しみやつらさに甘えることは出来ない。
金や時間や、その他たくさんのものを使って、
とにかく自分の心をコントロールするのだ。
少しでもいい状態のところに持っていかなくてはならない。
仕事等々で失敗して凹んだら必ず何回も繰り返し読む所。
自分を幸せにするのは自分。
『amego』の主人公・奈央子は「不倫なんて馬鹿のやる事」
そう思っていたのに妻子持ちの沢木と不倫する。
まぁぁ色々ぐちゃぐちゃあって…。面白いから読んで下さいませ♪
個人的には『amego』が林真里子女史の作品の中で一番好き♪
人気だった不倫モノは苦手だ…。