隣の電話ボックスの(俺)は電話器に向かってひたすら頭をさげていた。
そのせいか、こちらに気付かれる心配は無かったが、坊主頭の村井はサングラスを鼻の上にあげて、マスクで顔を覆った。
やがて、決着かついたのだろう大きな深呼吸をして電話ボックスからでてきた。
顔は自分にソックリだが、髪はサラリーマンカットで体格は少し小肥りの印象を受けた。
たから、この男が1年後に静子と結婚するなどとは、この時点では考えもつかなかった。
なぜ自分にそっくりな男が目の前にいるのだろうか?
それだけが興味津々で距離を保って跡をつけて行った。
男は高松の中央通りを県庁方面に歩いて、総合商社の中に消えていった。
受付嬢と軽く会釈をして行ったところを見ると、ここの社員らしかった。
村井は名前だけでも確かめようと思ったが、同じ顔の俺が訪ねたら不審に思われて、反対に素性を調べられかねないので、その場を離れた。
「あの男は、俺が危険になったとき、使えるかもしれない?」
と、ふと思った。
「影武者?」
静子には未練があったのだが実家に自分が押し掛けても、両親の必死の抵抗があるのは、目に見えていた。
静子が、自分に対して離れられない体になっているのは、容易に推測できた。
村井は静子との情事のあと、マウスを使って実験を繰り返し文献をあさって驚愕の事実を発見した。
海草類から造られたローションは、ただイボテン酸の酸化による劣化防止だけでなく、海草からとられたカイニン酸がグルタミン酸類似の神経興奮と神経細胞死をはるかに低濃度で示すことが、研究で解ってきた。
ようするに粘膜から吸収されると、脳を刺激して強い興奮作用があらわれて来るのが判った。
今も静子は(女)が疼いて居るはずだった。
村井が「死ぬ気で抜け出てこい」と声を掛ければ静子は包丁を首に当てて両親を説得するぐらいは想像できた。
「それは今でなくともよい」と村井は自分に言い聞かせた。
今教団は、宗教法人を収得して数千人程の大集団に膨れ上がり、邪魔者は秘かにポアされ、事件を引き起こして世間から騒がれていた。
静子のことよりも、早く西条に行って篠原竜一と会って、契約を結ばなくてはならなかった。
すでに、この時点で彼には、1億円近い設備費用を渡してあったのだ。
列車の時刻が迫っていたので、取敢えず高松駅に引き返す事にした。
日本において規制の対象ではないが広義の麻薬に含まれるキノコのうち向精神性作用をもつもの
(テングタケ、ベニテングタケ)のイボテン酸はグルタミン酸とよくにた水溶性があって、美味なため教団の食事で出されると、味の見分けがつかなかった。
ベニテングタケの大量栽培に成功した話は床原を小躍りして喜ばした。
「メスカリンやシロシビンと一緒に使えば相乗作用かあるのだ!」
床原は自然界の幻覚作用について、最近深い知識を持つようになっていた。
以前漢方薬局を経験していた履歴もあって、薬草や茸の知識は豊富にあった。
また、自分自身で体験もして、どんな作用が現れるのか?、妻にビデオ撮影させて確めたりもした。
ただ!自分自身も壊れて行くのは、以外と本人は気が付かなかった。
床原は新しい信者が来ると、修行食だと言ってイボテン酸の入った精進料理で接待し。
とどめは「イニシエーション」と称した麻薬入り「聖水」を飲まして、神秘体験を経験させた。
飲んだ信者は、夢のような展開が待っていた。
「身体が羽根より軽くなり、空を自由に飛び回り、水中で呼吸出来る肉体を経験させた、多幸感がみなぎり神秘の世界を垣間見る」
事ができたのだった。
しかし、その世界も12時間程で薬が切れて、散瞳、温感や冷感が身体中にひろがる。
床原の曼陀羅呪文が部屋一杯に響き渡り、目眩、嘔吐、頻脈、頭痛、不安、死にそうな、絶滅しそうな感じが始まるのだった。
信者は通常の意識に戻れないという不安感と長時間にわたる知覚異常で、この宗教の自縛を受けた。
この苦しみから抜け出るには、総ての財産と肉体を床原に捧げてイニシエーションを受ける必要があった。
信者は自分が薬物中毒患者になっているなど、ツユほども思っていなかった。
麻薬で現在は禁止されている、シロシビンは、ハラタケ目のキノコに含まれる麻薬の一種で、強い催幻覚性作用を有する。
シロシビンの毒素は構造が脳内の神経伝達物質であるセロトニンと類似しており、セロトニン受容体に作用して幻覚・幻聴などを引き起こす。
神経系に作用するアドレナリンの経路を介しても作用する。
また、(麻薬のLSD) とも似た構造で、効能も似ているために代替薬品としても悪用された。
このキノコ毒素は、熱にも安定な物質で、加熱により破壊・除去されない。
このため、幹部の食事に使われ、加熱調理されたオムレツやスープなどに、シロシビンを含む菌類を混ぜて摂食されたのだった。
そのせいか、こちらに気付かれる心配は無かったが、坊主頭の村井はサングラスを鼻の上にあげて、マスクで顔を覆った。
やがて、決着かついたのだろう大きな深呼吸をして電話ボックスからでてきた。
顔は自分にソックリだが、髪はサラリーマンカットで体格は少し小肥りの印象を受けた。
たから、この男が1年後に静子と結婚するなどとは、この時点では考えもつかなかった。
なぜ自分にそっくりな男が目の前にいるのだろうか?
それだけが興味津々で距離を保って跡をつけて行った。
男は高松の中央通りを県庁方面に歩いて、総合商社の中に消えていった。
受付嬢と軽く会釈をして行ったところを見ると、ここの社員らしかった。
村井は名前だけでも確かめようと思ったが、同じ顔の俺が訪ねたら不審に思われて、反対に素性を調べられかねないので、その場を離れた。
「あの男は、俺が危険になったとき、使えるかもしれない?」
と、ふと思った。
「影武者?」
静子には未練があったのだが実家に自分が押し掛けても、両親の必死の抵抗があるのは、目に見えていた。
静子が、自分に対して離れられない体になっているのは、容易に推測できた。
村井は静子との情事のあと、マウスを使って実験を繰り返し文献をあさって驚愕の事実を発見した。
海草類から造られたローションは、ただイボテン酸の酸化による劣化防止だけでなく、海草からとられたカイニン酸がグルタミン酸類似の神経興奮と神経細胞死をはるかに低濃度で示すことが、研究で解ってきた。
ようするに粘膜から吸収されると、脳を刺激して強い興奮作用があらわれて来るのが判った。
今も静子は(女)が疼いて居るはずだった。
村井が「死ぬ気で抜け出てこい」と声を掛ければ静子は包丁を首に当てて両親を説得するぐらいは想像できた。
「それは今でなくともよい」と村井は自分に言い聞かせた。
今教団は、宗教法人を収得して数千人程の大集団に膨れ上がり、邪魔者は秘かにポアされ、事件を引き起こして世間から騒がれていた。
静子のことよりも、早く西条に行って篠原竜一と会って、契約を結ばなくてはならなかった。
すでに、この時点で彼には、1億円近い設備費用を渡してあったのだ。
列車の時刻が迫っていたので、取敢えず高松駅に引き返す事にした。
日本において規制の対象ではないが広義の麻薬に含まれるキノコのうち向精神性作用をもつもの
(テングタケ、ベニテングタケ)のイボテン酸はグルタミン酸とよくにた水溶性があって、美味なため教団の食事で出されると、味の見分けがつかなかった。
ベニテングタケの大量栽培に成功した話は床原を小躍りして喜ばした。
「メスカリンやシロシビンと一緒に使えば相乗作用かあるのだ!」
床原は自然界の幻覚作用について、最近深い知識を持つようになっていた。
以前漢方薬局を経験していた履歴もあって、薬草や茸の知識は豊富にあった。
また、自分自身で体験もして、どんな作用が現れるのか?、妻にビデオ撮影させて確めたりもした。
ただ!自分自身も壊れて行くのは、以外と本人は気が付かなかった。
床原は新しい信者が来ると、修行食だと言ってイボテン酸の入った精進料理で接待し。
とどめは「イニシエーション」と称した麻薬入り「聖水」を飲まして、神秘体験を経験させた。
飲んだ信者は、夢のような展開が待っていた。
「身体が羽根より軽くなり、空を自由に飛び回り、水中で呼吸出来る肉体を経験させた、多幸感がみなぎり神秘の世界を垣間見る」
事ができたのだった。
しかし、その世界も12時間程で薬が切れて、散瞳、温感や冷感が身体中にひろがる。
床原の曼陀羅呪文が部屋一杯に響き渡り、目眩、嘔吐、頻脈、頭痛、不安、死にそうな、絶滅しそうな感じが始まるのだった。
信者は通常の意識に戻れないという不安感と長時間にわたる知覚異常で、この宗教の自縛を受けた。
この苦しみから抜け出るには、総ての財産と肉体を床原に捧げてイニシエーションを受ける必要があった。
信者は自分が薬物中毒患者になっているなど、ツユほども思っていなかった。
麻薬で現在は禁止されている、シロシビンは、ハラタケ目のキノコに含まれる麻薬の一種で、強い催幻覚性作用を有する。
シロシビンの毒素は構造が脳内の神経伝達物質であるセロトニンと類似しており、セロトニン受容体に作用して幻覚・幻聴などを引き起こす。
神経系に作用するアドレナリンの経路を介しても作用する。
また、(麻薬のLSD) とも似た構造で、効能も似ているために代替薬品としても悪用された。
このキノコ毒素は、熱にも安定な物質で、加熱により破壊・除去されない。
このため、幹部の食事に使われ、加熱調理されたオムレツやスープなどに、シロシビンを含む菌類を混ぜて摂食されたのだった。
