あれから、一体どれだけの時間が過ぎたのだろう。



秋が終わり、冬が来た。

コートを着て、雪の上を歩いた。


クリスマス

お正月

バレンタイン

ホワイトデー



珠理奈の家は空き家になっていた。

先生達は何も教えてくれなかった。

何が個人情報よ。


学校には毎日通った。

もしかしたら珠理奈が来るかもって思ったから。


学校では、やっぱり変わらず1人だったけど、

時々ちゅりちゃんが声をかけてくれた。







私は、珠理奈を忘れようと思った。

もしかしたら、佐江ちゃんを面影を追い求めて、珠理奈という存在を作り出していたのかもしれない。

全部私の妄想だった。夢だった。


だから、夢が醒めたんだと、

そう言い聞かせた。




なんて、珠理奈を忘れようと頭では分かっていながら、

結局私は、珠理奈の存在を心の奥で求め続けて、





そして桜が咲いた。





ああ・・・。半年ぐらいか。

数で考えてみたら大したことない時間だった。


でも。

私の中の時間はもう3年や5年経つかのような、

長くて長くて長くて、

寂しかった・・・。






学校には毎日通っていたが、

授業はサボっていた。


あぁ。今年度もそろそろ終わる。


卒業式に合わせたかのように咲いた桜たちは、

入学式には落ちて、寂しさを匂わすのだろう。


桜の花びらを拾って、そんなことを思った。



珠理奈は桜の花びらに似ているのかもしれない。


可憐に咲いた珠理奈


そしてみんなを楽しませ、


私を揺さぶり、



そして儚く消えた。


あっけない桜の花びらたち。



拾った花びらを、
もう全く書かなくなった日記帳に挟んで仕舞った。




あー似てる。



「珠理奈は、桜の妖精だったんだね。」



そんな馬鹿なことを声に出してみた。

夢物語にも程がある。

夢はディズニーに限るよね、
妖精はないわ、と自分にツッコミを入れようとした。





が、それは消えた。



ツッコミがどうとか、妖精がなんだとか、


そんなこと全部頭から消えていった。





『私は、妖精じゃなくて人間なんだけど。』




ずっと求めていた人が、

目の前にいる。




こんな少女漫画チックな展開あり?

と、内心驚きながら、



私は声になりきらない声を出して、
君の名前を呼んだ。




"珠理奈"と。