私が初めて観た日本のドラマは、
静かで、言葉よりも表情や間(ま)が印象的でした。

大げさな演出はなくても、
ふとした一言や沈黙の中に、登場人物の思いや優しさがにじみ出ていて──
「こんなふうに誰かを大切にできたら」と、心が動いたのを覚えています。

たとえば、
「無理しなくていいよ」
「そばにいるだけで、十分だよ」
そんな何気ないセリフが、
どこかで疲れていた自分をふっと癒してくれたこともあります。

日本のドラマには、“感情を押しつけない美しさ”があると思います。
観る人の心のペースに、そっと寄り添ってくれるような。

日々の暮らしの中で、
ふとそのセリフを思い出して、立ち止まる瞬間がある。
それはきっと、物語がくれた贈り物なんだと思います。