1. 小さな町の学習塾にて
「先生、なんで僕、いつもテストで80点止まりなんだろう。」
春の夕暮れ、窓の外に桜の花びらが舞うなか、小学5年生の海翔(かいと)はポツリと呟いた。
学習塾「まなびの森」に通い始めて半年。漢字も計算も、苦手は減ってきた。でも、どこか「あと一歩」が届かない。
指導している先生の真理子先生は、微笑みながら言った。
「それはね、海翔くんに今必要なのが“もうひとつの学力”だからよ。」
2. 学力って、2つあるの?
先生はホワイトボードに2つの円を描いた。
一つは「基礎学力」。
もう一つは「非認知能力」。
「学校で教わる知識や計算力。これが“基礎学力”。でもね、それを活かす力、自分から取り組む力、あきらめずに続ける力……これは“非認知能力”っていうの。」
海翔はきょとんとしながらも、少しうなずいた。
3. 点数だけじゃ測れない力
「この前の読解問題、見直ししなかったんでしょ?」
「うん…時間ギリギリで、焦ってた…」
「そこなの。実はね、“どうすれば落ち着けるか”“どう考えればいいか”っていうのも、学ぶ力のひとつ。点数じゃ見えないけど、とっても大事なの。」
4. 親子の変化
海翔の母・陽子さんも、最近少し悩んでいた。
「うちの子、成績は悪くないけど、家ではすぐに飽きたり、イライラしたりして…」
「勉強のやる気が続かないのは、努力が足りないせい…そう思っていました。」
でも真理子先生はこう言った。
「実は“努力”も、練習すれば身につくんです。それが非認知能力。『やればできるかも』って思える環境が、子どもを変えますよ。」
5. 小さな成長、大きな力
3ヶ月後のこと。
海翔は学校の自由研究で「学校の植物を調べる観察日記」を作成し、先生から表彰された。
「最後までやり切れたの、初めてだった!」
決して派手な成果じゃない。
でも、夜に懐中電灯をもって植物を観察していた海翔を知っている陽子さんは、目に涙を浮かべた。
「“非認知能力”ってこういうことかもしれない」と。
6. まとめ:未来を拓く2つの学力
海翔のように、子どもたちは「学ぶ力」と「生きる力」の両方を必要としています。
- 基礎学力は、知識と技術の土台。
- 非認知能力は、その知識を使いこなし、未来を切り拓く力。
この2つが合わさったとき、子どもは本当の意味で「学ぶ楽しさ」に出会います。
☘️ 非認知能力を育てる家庭の工夫チェックリスト
· ☐ 毎日10分でも「自分で決める時間」を作っている
· ☐ 子どもの努力を“結果より過程”で褒めている
· ☐ 小さな成功体験を意識的に増やしている
· ☐ 失敗しても「挑戦したね」と声をかけている
· ☐ 親自身も新しいことに挑戦している姿を見せている