ゼロイチ | 大下徹朗のアメブロ

大下徹朗のアメブロ

大下徹朗のブログです。

5月12日の0時、「Snapeee」がApp Storeに並んだので


これを機に


まつわるトピック、とくにゼロイチで事業を創る、ということについて


いくつか書いてみたいと思います。




Snapeeeは、ワークスアプリケーションズのエンジニアだった


小林さん、神尾さんという2名の創業者が作った会社、


株式会社マインドパレットがリリースしたサービスです。




マインドパレット社は、


ぼくらの母艦プロジェクト「Startups」の昨年度採択事業で、


弊社が資本参加させていただいています。




背景:


まず、昨年のStartups2010のキックオフ


TechCrunch JAPAN 2010年8月の記事




支援事業発表時のリリース


http://www.cyberagentventures.com/news51.html



Snapeeeリリース時のメディア掲載(抜粋)


TEchCrunch JAPAN 2011年5月の記事


TechWave 2011年5月の記事


iPhone女史 2011年5月の記事






下記、ゼロイチで事業を創り、


リリースさせるために残しておきたい備忘録。




1.


まず、サービスのコンセプトを決める。


決めた後、比較的すぐにリリースするのならそのコンセプトは


絶対にブラさらない。


少しでも迷ったときに立ち戻れるよう、紙に落としておく。手書きでもOK。




2.


「画面遷移」を最初に作る。


前述サービスコンセプトを、ユーザー視点で満足してもらうためには


画面遷移を早期の段階で完成させる。これも手書きでもOK。


この画面遷移があれば、機能を作るときに迷ったらいつでも戻れる。




3.


自社に不足している人的リソースを可視化し、


その補完(採用)を経営課題の優先度「高」に置く。


このマインドパレット社の場合は、エンジニア2名で立ち上げて、


女性向けのサービスなので、「女性視点が分かるデザイナー」が


いないことが初期の経営課題でした。


優秀なデザイナーが早期にジョインしたことが


どれだけ心強かったかは言うまでもありません。


また、iOS向けサービスで実績のある優秀な外部の


アートディレクターと一時的にお仕事をご一緒したことは


貴重な財産となりました。




4.


経営課題を満たすための能力を身につける。


前述3とリンクしますが、つまり「採用」が必要なのです。


自社の魅力をプレゼンする能力が必要になります。


これは社長業をやるうえで必須。


つまり、スタートアップベンチャーの経営陣が早期に


身につける能力の一つとして「プレゼン力」があります。


「Startups」での採択事業の経営陣の方々には、


いろんな場で、ときには数百人規模のオーディエンスの前で


プレゼンができる機会を意識的に用意しており、


登壇してもらっています。




5.


ひとりぼっちにしない。


これは、ユーザーのことです。


サービスコンセプトにひとつでも「コミュニティ」や「ソーシャル」


の要素がある場合、ユーザーの新規会員登録時にすぐに


友人と繋がれる機能(登録時のフロー)が必須です。


ひとりぼっちだと次にアクセスする理由がありません。




6.


マネタイズ?ユーザー体験?


「サービスコンセプト」にマネタイズは入れてはダメ。


日本発、世界へ!と目指すスタートアップベンチャーは


「成し遂げたい志」が成長エンジンです。


つまり、大きな志を実現するには「イノベーション」を


起こす必要があります。


イノベーションを起こすには、顕在層はもちろん潜在的だった


ユーザーの気持ちを体験に落とし込めるような導線が必要です。


それが先です。


そうするとイノベーションが起こせる可能性があがります。


なので、マネタイズよりもイノベーション(潜在を顕在化させる)が必要です。




7.


UI(ユーザーインターフェース)。


機能面の開発が見えたら、最後はここです。


いかに美味しい料理でも、盛り付けがダメだったら誰も食べません。


いかに有能なシェフがいる店も、看板がダメだったら新規のお客さんは来ません。


こだわり、コンセプトのもと、イノベーションを起こすために機能がそろったら


最後はUIです。


本来なら、「舐めたくなるようなアイコン」とか、そのあたりまでの


レベルが必要なのかも、ですね。




8.


バイアスを捨てる。


本当にそれでよいのか、のテストや外部の意見はとても大事。


Snapeeeでは、18~25歳の女性向けサービスなので


その年齢層に入るサイバーエージェントグループの若手女性社員にも


徹底的に使ってもらったり、のテストを行いました。


また、別ジャンルでも良いので、日本や世界で流行っているアプリを


徹底的に使い、機能面やUIで良いところは参考にすべきだと思います。


たいしたコンセプトでもないサービスでも、機能やUIが良いがために


大流行しているものはたくさんあるので、参考にすべきところは多々あるはず。


また、よく言われている「シャークアイ」「ラストワンマイル」も重要。




9.


経営判断。


全てのステージの会社に「経営判断」はあります。


スタートアップベンチャーの場合は、


「何を満たせば、リリースOKにするか」


「残キャッシュの何%をマーケティング予算にするか」


だったりします。


スタートアップベンチャーの場合、過去の自社の経験や定量的なデータが


少ないのも事実。


でも、可能な限り集めます。


とくに僕らのような(サイバーエージェント系の)VCが資本参加していれば


その経営判断に必要な情報は集められます。


データと判断基準と仮説、この3つが揃って初めて「経営判断」です。


この3つが揃わないと経営判断とは言えません。


「リリースを遅延させる」「予算を変える」は、ヤマ勘で行ってはいけません。




10.


徹底的に分析する。


Snapeeeでは、リリースしてからの丸三日は


「分析」に時間を多々費やしています。


台湾でInstagramを超えて2位になったのはなぜか?など含め、


いろんな視点で徹底的に分析しています。


同時に、こういった企業文化も醸成されてきています。






こういった切り口で、今後もブログ書いていきますね!