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 何かを思い出したように訊く金剛に、坂井はうなずく。
「あぁ、乗ってたよ」
「――そうか、比叡から聞いていた艦魂の見える航海士とは、貴様の事であったか」
「あいつが、比叡姉さんが言ってた」
 特に坂井をジロジロと見る金剛と榛名。そんな二人の名前を翔輝が言うと、坂井は嬉しそうにうなずき、彼女達に近づく。
「君達が比叡の言っていたお姉さんと妹か。初めまして、坂井昇航海少佐だ。よろしく」
「――ついでに口が悪いと言っていたが、それは当たりのようだな」
 無礼者を金剛は不機嫌そうな瞳で見詰める。だが、坂井はそんな事を気にした様子もなく二人に話し掛ける。そんな坂井のまわりには多くの艦魂が集まっている。彼の優しげな雰囲気が彼女達を引き付けたのだろう。
 長門は艦魂達に囲まれて微笑んでいる彼を嬉しそうに見詰めている翔輝の傍に寄る。
「いいの? あんなに明るい人なら、艦魂達がみんな坂井について、あなたから離れていくかもしれないわよ?」
 長門はからかうように言うが、翔輝は気にした様子もなく微笑む。
「別に。それは僕よりも坂井さんの方がいいという判断でしょう。僕は、それでそいつが幸せになれるなら構いません。僕から離れたければ、離れればいいだけです」
 笑顔で言う翔輝。聞き様によっては悲しい言葉に、長門は黙ってしまう。
「わ、私は絶対に大尉から離れませんから!」
「???翔輝以外の男なんて、近寄りたくもない」
 そんな翔輝に必死な声で言う大和と武蔵。そんな二人の言葉に翔輝は嬉しそうに微笑む。
「ありがとう。大和。武蔵」
 笑顔で言う翔輝は本当に嬉しそうだった。そんな笑顔を見て、長門はきっと大丈夫と思った。今までの思い出が、彼らの絆の深さを思われる。
 長門はわいわいと騒ぐ大和達を見詰め、優しく微笑んだ。
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 坂井との出会いから数週間後が経った頃、『大和』の会議室では緊急の艦魂会議が開かれていた。極上幹部会の幹部である各部の部長副部長がほぼ全員参加した。
 武蔵は会議の開口一番に驚くべき訃報を口にした。
「イタリアが、降伏しただと???ッ!」
 金剛が怒りの表情一色で武蔵を睨む。そんな彼女に睨まれる武蔵は無表情で手に持つ資料を見ながら淡々と説明する。
「???連合国の反撃を受けてイタリアは陥落。ドイツもスターリングラード攻防戦(一九四二年八月?翌年二月にかけての第二次世界大戦最大の陸上戦。ドイツ軍五〇万人は三倍以上の兵力を持つソ連軍に包囲されて大敗北した)で劣勢に追い込まれている。ドイツも陥落するのは時間の問題」
「ふんッ! 所詮は欧米のクズ国家か。降伏など、武士の誇りに反する愚策をしおって???ッ!」
 金剛はいつも以上に不機嫌そうだ。欧米に対しすさまじい嫌悪感を持つ金剛は、イタリアが陥落した事にすさまじく腹を立てていた。
「ちっ、所詮騎士道なんてそんなもんか。武士道の足元にも及ばねぇ。だがよ、俺は騎士道も嫌いじゃなかった。武士道と騎士道、どこか似通っているものがあると思ってた。だが、イタリアの連中は騎士精神も忘れた――ただの愚民でしかなかったかよッ!」
 榛名もすさまじい嫌悪感を露にする。そんな二人の言葉に、皆は何も言えずに沈黙する。
「ヒトラーとやらも、所詮は欧米人。いつかは降伏するだろう。だが、我が不滅の大日本帝国は、決して欧米諸国には屈せんッ! その民族の魂尽きるまで戦い、一億総玉砕の覚悟で欧米諸国に最後まで抗うッ!」
 ――金剛の瞳に刃が灯る。
「例え、日本人が全て滅ぶとしてもだ???ッ!」
 金剛の言葉に、全員が息を呑む。彼女のすさまじい愛国心は、人並み外れている。だが、ここにいる大和の民は、全て同じ想い