あちこちで散々聞かされて耳タコになっている、

 

「ジャズは音高より音価」。

 

メロディとハーモニー、スケールとヴォイシングはもちろん大事だけど、良いリズムがあってこそ、それが生きる。ジャズはリズムさえ良ければ、単なるドの連打だけでもフレーズは決まる。なので、一番優先するのは「音価」。

 

以上を一言にまとめると「音高より音価」……分かっているのだが、出来てない。

 

ヴォイシングがなんとか出来るようになってきて、自分の録音を聴いて気づく。

ヴォイシングばかり気にして、リズムが疎かになりがち。どんなにカッコいい(つもりの)ヴォイシングでも、リズムが決まらないと、全部が台無しになってしまう。

 

これをどうにかするためには、自分であーだこーだと工夫するだけじゃ限界がある。

トランスクライブでレジェンドの弾き方を学んでそっくりに弾くことで、リズムとグルーヴの感覚を身につけるのが、すごく良い方法なのだと今ごろになって痛感する。特定のお手本に頼らずに自分の感覚だけでカッコよくリズムとグルーヴ、というのは相当なセンスの持ち主でなければ難しいと思う。私には無理である。

まずは真似する。最初はただの真似でも、少しずつ自分の演奏にして行けば良いのだ。

 

 

昔の自分の録音を聴くと、もちろん本人は精いっぱいやっているのだが、ただ自分流にオルタードなりリディアン♭7なりにベタッと音を並べてるだけで、リズムもグルーヴもヘロヘロ……なんだコリャ。オルタードの音の並べ方の練習はもういいから、キレのいいフレーズ探してトランスクライブしてみろよ、と昔の自分に全力でツッコミを入れたい。あ〜もうリズムがダレてフレーズにキレがない!なんだコリャ!

 

しかし考えてみると、今、自分では「出来てるつもり」の曲も、数年後に録音を聴けば「なんだコリャ」になるだろう。先は果てしなく長いし、限りはない。だから、楽しみながら少しずつでも進んで、過去を振り返った時に自分で「なんだコリャ」と思えるようにしたい。10年単位ぐらいで。