「もっと本気でやっておけば、今頃はもっとアドリブが楽だったのに……」と思っているのが、コードをアルペジオで弾くシンプルな練習。

 

 

練習1

アルペジオ、転回して上行下行。左手は自由。

2、4拍オモテ、ウラなど好きな位置でメトロノーム。

普通のシンプルな練習。

 

 

 

練習2

コードの構成音を自由な順番で、即興で弾く。左手は自由。

これも(1ほど一般的じゃなくても)普通の練習だと思う。

 

1コードにつき1小節でも2小節でもいいし、慣れてきたら1小節に2コードでも。

これをⅡ-Ⅴ-Ⅰとか曲のコード進行とか、いろいろな順番で弾く。

 

どちらも特別なものではないし、難しいものでもない。ただ、手間はかかる。

 

1と2をコード5種類 (M7・m7・m7(♭5)・7・dim7) 、12キー全部フルセットでやってたら他の練習の時間がなくなるので、1日1キーとか、m7を全キーとか、細かく分けて毎日少しずつやることになる。

 

音の違いを確認しながら弾くと面白いけれど、なにしろ数が多いので、時間がかかる。そしてこの練習が具体的にどう役立つのかを、なかなか実感しにくい。

なので、以前はこの練習をあまり熱心にやっていなかった。フレーズやトランスクライブのほうが派手で楽しいし……

 

 

 

しかし、このアルペジオ練習を各音の度数を意識して弾いた直後に、無窮動を弾いたらすごく楽に弾けたのだ。鍵盤上でフレーズの各音の度数が直感で分かる。

 

度数をしっかりと意識してこのアルペジオ練習をすると、度数を頭で考えなくても直感で分かるようになってくる。ドミソの度数135が何も考えないで分かる感じに近い。

トランスクライブの時にはフレーズの骨組みが見つけやすくなり、分析の時にはトップノートやコンピングの内声などの度数が分かり、演奏面では指も回るようになる、というわけで、いい事ずくめである。

 

超初心者のころからもっと本気でアルペジオをやっておけば良かった……

 

今からでも決して遅くないので、最近は基礎練習のルーティンに多めに組み入れている。単独でもいいが、無窮動エクササイズの前か後に続けて弾くと面白い。前だと無窮動が上手く弾けるし、後だと答え合わせみたいになる。