ナレーション


昔々、あるところに粉ひき屋の家族がいました。
しかし、粉ひき屋の主人が死んでしまい。
三人の息子と一頭ののロバと一匹の牡猫が残されました。
長男のウルフガンクは粉ひき場を相続し、二男のトーマスはロバを
三男のペーターはネズミ取りしかできない牡猫をもらいましたが
ペーターは遺産相続が猫だけだったことに途方くれたのです。
とりあえずペーターは牡猫に死んだ弟のシュテファンという名前を
猫にあたえ、いっしょにすごすことにしたのですがのです。
猫のシュテファンはなんと、二足歩行が得意なので長靴を作ってくれと言い出し
友達の靴屋のハンスに頼んで長靴を作ってもらったのです。
さらに、人形が来ていた服とかつらをもらったのです。
長靴を履いた猫のシュテファンは王様の大好物のヤマウズラをたくさん捕まえ
王様にペーター伯爵からの進物として献上しました。
ベーターはおかげてお金持ちになり、猫のシュテファンは王様や王女様に
気に入られ王女様と一緒にベットで一夜を明かすほどになったのでした。
ある日、お城にいたシュテファンが王様と王女様が湖に散策に行くこと知って
王女様をペーターのお嫁さんに考え付き
シュテファンはペーターを湖に連れてきて素っ裸にさせて
王女様に会うきっかけを作りました。
そして、お城に変える道沿いの牧場や畑などの農夫たちに
持ち主はペーターであることを言うようにシュテファンがさせました。
そして、シュテファンは本当の持ち主である魔法使いの家に行って
魔法使いのシャザーンに会ったのですが

シュテファン


お願いがあるんです。


シャザーン


なんだ、言ってみろよ。できないことなんてないんだぞ


シュテファン


んー、でもさ
さっきの話、人にそう思わせる魔法が得意なんでしょ
オオカミとか犬とかの動物に化けるのは
なんてことないんでしょ
大きさも人間に近いしさ
だからさー、大きな大きなゾウなんで無理だよね。


シャザーン


ゾウ?
そんなもの簡単さ
パパラパー!


シュテファン


すっごい
でっかい
じゃー、動物でも百獣の王ライオンなんかどう


シャザーン


お茶の子さいさい
パパラパー!


シュテファン


わー、大きな猫だね。
実はさ、こーいっちゃーなんだけど
ゾウもライオンも実物を見たことがないんだ
だからさー、忠実に化けてるかわかんないよ


シャザーン


何をいってるんだ
こっちゃーな膨大な遺伝子サンプルデータから
忠実に再現してるんだぞ
じゃーよく知っているものに化けてやる
何でも言ってみろ


シュテファン


じゃーあ
この国の王女様の裸


シャザーン


なんか、マニアックなオーダーだな
じゃー
しばらく待て
パパラパー!


シュテファン


わーすごい
耳の形も、おっぱいも形はそっくり
どれどれ、柔らかさも一緒だ
じゃーしゃがんでみて
すごい、あそこの形まで再現されてる
匂いまでそっくりだ


シャザーン


じゃーこれはどう?(王女様の声)


シュテファン


わー、わー、わーおしっこも出るの
すごい、おしりから垂れちゃうのも王女様そっくりだ


シャザーン


パパラパー!
お前ずいぶんと王女様に詳しいな
ストーカー猫か


シュテファン


違うよ
僕は王女様のお気に入りで
猫だと思って油断してさ
一緒にお風呂にはいったり
一緒に寝たり、お庭でおしっこしたりするのも一緒
だったからよく知っているのさ。うらやましい?


シャザーン


ハーンそうか
おれは別に魔法で何でもできるからな
別に、うらやましいとかそういうのは
ないんだけどな
それよりどうだ
俺の魔法、恐れ入ったか


シュテファン


いゃいや、やっぱり僕がよく知ってるもの
それはネズミ。
んーだけどー
小さなネズミなんて無理だよね。
だって、こんな大きな魔法使いの体が
ちっちゃなネズミになれるなんて
その体がどこに行っちゃうか不思議すぎるよ


シャザーン


そのーつまりだな虚数空間上の・・・
お前に行っても理解できないな
とにかく別の世界とこちらの世界を
行き来できるってことだ
だから小さくても大きくても関係ない
体は小さくても頭はあちらの世界にあるから
どうにでもなるのさ


シュテファン


ぢゃーハツカネズミなんで
お茶の子だよね


シャザーン


お安い御用さ、パパラパー!
どんなもんだい


シュテファン


ぱっくんちょ


ナレーション


シュテファンは魔法使いのシャザーンが化けたネズミを
食べてしまいました。
ところで、王様たちは馬車でお城に向かっていました。


ペーター


あっと
申し訳ありませぬ
馬車が揺れたもので


王女


大丈夫です


ペーター


いま、私の肘センサーが
巨乳を感知!
こここれは大物だぞー


王様


おい御者
もっと、ゆっくり走れぬか
それでなくとも、このー王女と伯爵殿の
密着度がわしにはたまらんのだが
揺れるたびに気になって仕方ない
それにしても、
来た道と違うようだぞ


御者A


例のお猫様がねこっちから城に帰れっていうもんで


御者B


こっちの道でも城へは行けますよ
景色もこっちのほうがのどかでいいし


王様


そうか
しかし、大きなマキバだな
いったい誰の持ち物なのだ
おっ農夫がいた
御者、馬車を止めよ


御者A


へーい


王様


これ農夫 ちと尋ねるがの
このマキバは誰のものじゃ


農夫


きたきた、伯爵さまのものです。


王様


なんと、すごいなペーター伯爵


ペーター


いや、なんてことはないです。


王様


何をご謙遜をしなさる


ペーター


へへ
そんなことはないですっていう意味だったんだけど
まっいいか
それにしても、なんで伯爵の土地になっているんだろ
そっかーシュテファンのしわざだ
ナレーション 今度は広大な麦畑を馬車が通りました。


王様


何て、広大な麦畑じゃ
端っこが見えないぞ
しかも、たくさんの農夫が働いている
これこれ、そこの農夫
この土地は誰のものじゃ


農夫 王様でございますか
この土地は伯爵様のものでございます


王様


おおお、シュレディンガー伯爵
すごいですなー
こんな広い麦畑をお持ちだなんて


ペーター


いやいや、ほんの成り行きにござる
なんとなく、持ち主になってしまったような


ナレーション


そして、森を通りかかりました。


王様


こんなきれいに整備された森は見たことがないなー
おっきこりじゃ
これこれそこの樵
この、森は誰のものじゃ


きこり


王様でございますね。
この森は伯爵様のものです。


王様


なななんと、
シュレディンガー伯爵殿
あなたは大金持ちですなー


ペーター


いやいや、わたくしめの
実力で手に入れたものではござらぬので
そういわれても、困りまする。


王様


この道は初めて通ったが
美しい、マキバや広大な麦畑
そして、きれいに整備された森
我が国にこのようなところがあるとは
思いませんでしたぞ
伯爵殿


ナレーション


そうこうしているうちに
魔法使いの家の前を馬車が近づきました。


王様


この大きなお屋敷は
どなたの
まさか、伯爵殿の?


ナレーション


屋敷の門の前にはシュテファンが
立って待っていました。
今日のお話はここまで
それでは
皆様におかれましては次回まで
ごきげんようお過ごしくださいませ