世代交代と価格破壊とが激しい昨今の電化製品業界ですが、パソコン1台100ドル (約10,000円)と聞くとどう感じるでしょうか?
安すぎる? いえいえ、ウソのようですが、かなり現実味を帯びた話のようです。
中国やインド・ブラジルなどの子供たちに無償供給(購入費は各国政府が負担)することを目的としているようですが、将来的には商用モデルの展開も考えている、ということ。
PCを自作する人は知っていると重いますが、自作すると、OSやアプリケーションを流用できるので、新規に自作しても制作費は結構安く上がります。
しかし、一般企業等で自作PC(もしくはソフマップなどのノンブランドPC)を採用している所は非常に少なく、割高感が残るメーカー製PCを使用している(私の会社もNEC製を使用)企業が大半だと思われます。
そして、その割高でかつ、そこそこハイスペックのPCを何に使っているのかというと、ワープロや表計算に出納管理といった、かなりロースペックな物でも十分問題ないレベルの作業しかしていないのが現実です。
翻って、今回量産がほぼ決定している100ドルノートPCのスペックを見てみましょう。
CPUは500MHZで、メインメモリは128M。記憶媒体はフラッシュメモリで500MB。
つまり、もう少しスペックアップすれば、一般企業(特に中小企業)では使用に全く問題ないPCになるわけですね。
企業用に若干スペックアップを施したとしても、おそらく価格は2~300ドル前後に抑えられるでしょう。
上記使用に耐えうるような基本ソフトをプリインストールしたバージョンを発売したとしても、500ドル程度に収まるのではないかと予想されます。
また、基本ソフトがOSだけであっても、採用されるリナックスはウィンドウズとある程度の互換性を維持しています。
つまり、自作PCと同じように、以前使っていたソフトをそのまま廉価PCでも使える見込みが非常に高いわけです。
そうなると、敢えて今までのように高いお金を払って、過剰なスペックのマシンを採用する意味がなくなります。
決算時期などの、PC入れ替え時期に一斉に買い換えられる可能性もあるわけですね。
下手をすればiPod以上の市場インパクトを引き起こし、業界の勢力地図が大きく塗り替えられることになるかもしれません。
子供用100ドルPCの供給開始予定が来年ということなので、おそらくビジネスモデルは再来年辺りの登場となることが予想されます。
その時業界がどのようになるか、今から非常に楽しみです。
…いつも馬鹿なことばかりかいてますが、たまにはまともなことも考えたりするんですよ?