…の予告です

(は?期待されてるとでも?)

[第3話:冒頭]
『おや、この映画がお好きとは。相当な映画通ですね』
『いえ私、映画の知識なんて全く無いんです。ただ、この映画は…』
その女性はそう言うと、フィルムを胸元にしっかり抱きかかえながら、先ほどとは裏腹に淋しい表情を浮かべました(続)



映画好きの男が通うフィルムショップ

そこで偶然手に取った映画フィルム

それを懐かしむように見つめる女性

この物語の『鍵』とは何なのか?

チョコドーナツは美味いのか?おやっさん!



謎を秘めつつ新たな謎が発覚する(!?)

二年越しの第3話は

11月中旬発信予定
久しぶりに
ブログ書きます

二年という
長い歳月を

とんでもなく
短く感じている
今日この頃

皆さま
いかがお過ごし?



話は変わって



都会に棲むと
便利なはずのモノが
不便に感じる

ということを
実感しました



クルマが邪魔で
イライラします



外出すると
ものすごいスピードで
何台ものクルマが
すれ違っていきます

クルマなんか無くても
電車やバスの
交通機関が
充実しております



適材適所という考えが
妥当なら



クルマは
人の居ない場所を
走るべき、かと



クルマは財産
みたいな考えを
もっていた頃が
ありましたが

ありゃ間違いだと
少なくとも
今の私には



所詮は道具
なんですから
しばらく経った在る日、男は新しい映画を仕入れようと街の中心へ出掛けました。
古びた雑居ビルの5階に、行きつけのフィルムショップがありました。昼間でも薄暗い、急な階段を昇りきるとその正面に、木製の大きな扉があります。
「こんにちは~」
重たい扉を開くと、正面にはカウンターがあり、その奥でソファに寝転がっている小太りの老人がここの主人です。マールボロを硝子の灰皿でもみ消しながら、男の顔をじっと見つめます。
「おぉ、あんたかね」
白髪頭を掻きながら体を起こすと、いつも通りの優しい笑顔で迎えてくれました。
「どうも。また物色させてもらいます」
いつも手土産に買ってくるチョコドーナツとマールボロをカウンターに置くと、右手にあるドアに向かいました。そのドアの奥がフィルム倉庫で、映画好きの男にとっては夢の空間、といったところでしょうか。「いつもすまんね…あ、そうそう、今日は先客がいるけど、びっくりしないでね」
チョコドーナツをまるで子供のように無邪気に頬張りながら、主人が言いました。
「へぇ、先客…ですか」
珍しい事もあるんだと思いながら、倉庫に入ります。
(でも、びっくりしないでなんて、可笑しなこと言うな…)
倉庫の中は、フィルムをいたわる為に空調が行き届いており、そこには何万という数のフィルムが収められて無造作に積み上げられています。
ドアを入ってすぐの所で物色を始めるとすぐに、後ろから声を掛けられました。
振り返ると、若い女性が立っていました。こんな場所には似つかわしくない、今どきの若者の女性といった印象でした。
「あ…やあ、どうも」
男は驚きました。同時に、主人が言った言葉の意味がよく解りました。
(こういう客層の店じゃないよな)

「すいません、初めてここに来たんですけど、なかなか気に入ったのが見つけられなくて」
外見の派手さとは裏腹な、丁寧な言葉使いに驚きましたが、男も丁寧に答えました。
「ああ、初めての方にはちょっと不親切ですよね、どんなジャンルがどこにあるか、判らないですもんね」
男はそう答えながら、1本のフィルムを手にしていました。
「あっ、その映画…」
女性は、男の手からそのフィルムを奪い取ると、まるで旧いアルバムでも見ているかのような、何とも穏やかな笑みを浮かべました。
「これ…間違い無いわ、この映画…」