以前、鉄工所に就職した時に、
社長がもう1社経営していた。
本来は、そのもう1社の方が経営母体で、
私が入った方は小規模な鉄工所だった。
社長自身は、経理事務補助の経験はあっても、
単独での経理事務経験のない私を、
職務経歴書と、資格欄を見て、「向上心のある娘」と
思ってくれたらしく、
面接して落ちる事に慣れていた私は、
「採用します」
という言葉に驚いた。
メインの鉄工所の経理事務の先輩は会計事務所出身の人。
経理事務員としての心得はこの方から学ばせてもらった。
◎従業員が、社長を批判する時は、誤解がある場合は仲立ちとなってその誤解を解くよう心がける事。
◎幾ら社長であっても、社長の経営判断がおかしいと感じられる時は、クビになっても良い覚悟で、社長に正しい道を歩んでもらうよう、苦言を呈する事。それが、できなければ他の従業員とその家族が路頭に迷うような事になるので、自らの保身を優先させない事。
それ以外は、おたがい人間だし、
嫌なところも目について文句も言いたくなるから、
文句も言っても良いけど、
これだけは心がけてねといわれた言葉だ。
これらの言葉は、
私が転職した後もとても私自身の身を助けてくれたし、
転職先の社長からも信頼を受ける事が出来る一つの要因となった。
だが、今の就職先の一部のスタッフから見たら、
「一介のただの一般事務員が、経営の事に要らん口出しして・・・」
と見えるらしく、かなり不満らしい。
ここでは記載しないが、
そう思われても仕方のない事情も、充分に熟知している。
自分自身の仕事の役目も熟知しているつもりだ。
金銭的な経営状態は非常に優良で安心できるが、
諸々の絡みで、今は、
「みんな仲良くおてて繋いでチィパッパ」という状況ではない。
誰かに好かれようと思って仕事をすると、
やらなければならない事が全て後回しになって、
会社全体、従業員全員に迷惑を掛けるから、
厳しい事も言うし、
社長が間違っていると思ったら、主張もさせてもらっている。
私だけじゃなく、他の管理職にもどう思うか訊いてみて、
社長に進言している事もある。
その上で、上記のようにしか物を見ていないというのであれば、
傲慢と思われても構わない。
所詮それを言ったその人自身に
物事の真贋を見分ける眼力がないとしか言いようがない。