師走と言われる12月。

クリスマスも過ぎ去り、今年も残すところあと少しとなりました。


受験生にとっては、入試前の大切な冬休み。

遊ぶどころではなく、試験対策のラストスパートという人も、たくさんいることでしょう。


今日は、そんな“受験”というものについて、ひとつ考えてみたいと思います。


一般に、受験勉強とは、とにかくハードなものです。


定期テストと違って、出題される範囲が明確に決まっているわけではなく、それまでに学んできた内容を総動員しなければならないような問題が出されたりします。


すなわち、受験する教科についての、付け焼き刃ではない実力が問われます。


これらは、受験生には難しいものであることが多く、学校の授業だけでは充分な対策ができないことも多いので、塾や予備校に通ったりするわけですね。


子供達はもちろん、親御さんにとっても、とても大変なイベントだと思います。


さて、みんなが苦労する、難しい受験勉強なのですが、これはあくまで、国が定めた学習指導要領により、普通教育として行われるものです。


音大の入試で出題される、楽典やソルフェージュも、高校までの学習指導要領に、実は含まれている内容だったりします。


このような普通教育を総括した内容を扱う、入学試験。


問題を見てみると、教科書に書いてあることを理解していれば解けるものから、考える力を必要とする高度なものまで、難しさに幅があるはずです。


大学入試ともなれば、大学の先生が作問するわけで、その道の専門家として、腕によりをかけた難問が出題されることもあります。


まさに未来を担う受験生への、挑戦状であり、試練です。


受験生の皆さんは、そうした難問の出題に備えて、日々、応用問題を解く練習をしているわけですね。


では、大学入試の問題とは、何故こうも難しいのでしょうか。


それは、大学が専門的に学芸を学ぶ機関であるから、ということに他なりません。


普通教育では、様々な分野を広く学びます。

高校にもなれば、その学習内容は決して簡単なものではありませんね。


しかし、専門分野から見たとき、高校までの内容というのは、どんなに難しくても、“学問の基礎”に過ぎないわけです。


普通教育から、専門的な教育へと移行するための準備として基礎を作る。

これが、大学入試に向けた受験勉強の本質だと思います。


人生設計という観点では、偏差値の高い学校に入れば、就職で有利になるというのはあるでしょう。


大企業に就職できれば、経済的な余裕や社会的な信用があり、豊かな人生が送れるということもあるでしょう。


そんな将来のために、勉強する。

それも1つの考え方だと思います。


しかし、大学とは本来、学問をする場所です。

学生時代というのは、その道の専門家からの指導を受けられる、貴重な機会です。

そこには、人類がこれまでに積み上げてきた、知の財産があります。


本で例えるなら、

高校までで学んできた基礎は、序章です。

大学で学ぶ内容こそが、学問の本編なんです。


ですから、受験生の皆さんには、どうか、受験を終えた先にこそ、本当の学びのスタートラインがあるんだということを、意識して頂きたいと思っています。


そうして始まった学びは、一生を通じて学べるものですし、生きがいとなるものです。


学問があるから、人生は楽しい。

音楽を教える立場として、いつも実感することです。


そんな知の宝を見つける時間である学生生活を満喫するために、受験勉強を楽しみましょう。


よき冬休みを!

ではまた☺️

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